多福院(たふくいん)山門脇 後列 石塔婆群 (宮城県石巻市吉野町1-4-9)
三十三回忌供養の為、造立された石塔婆で、その本尊 虚空蔵種子を刻む。室町時代前期 応永十年(1403)の在銘。
山門脇石塔婆群の後列、向って右から三基目に立つ。
主尊に三十三回忌の本尊 虚空蔵種子「タラーク」、その下に光明真言、下方に三十三回忌供養の願文と紀年銘を刻む。 |
碑面上方、主尊種子「タラーク」
虚空蔵菩薩の種子「タラーク」を薬研彫する。種子は、天蓋と蓮座で荘厳されている。
梵字光明真言の下、地中に埋まっている部分に願文と紀年銘が刻まれている。
光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」、「シャナ、マ、カーボ、ダラ」、「マ、ニ、ハンドマ、ジンバ、ラ」、「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン、ダ」
地中の刻銘は、中央に「右志者奉為 応應十年(1403)・・・・、敬白」の紀年銘、
その両側に各一行「高福前住励公相當三十三年忌、證菩提乃至法界平等利益故也」と刻んでいる。
本石塔婆は造立趣旨に三十三年と記し、その本尊 虚空蔵種子「タラーク」を刻む室町時代前期 応永十年(1403)の石塔婆で、忌日供養碑として定型化が進む時期にあたる。
多福院(たふくいん)山門脇後列 石塔婆群 (宮城県石巻市吉野町1-4-9)
三十三回忌供養の為、造立された石塔婆で、その本尊 虚空蔵種子を刻む。室町時代前期 応永八年(1401)の在銘。
主尊に三十三回忌の本尊 虚空蔵種子「タラーク」、その下に胎蔵大日真言、下方に三十三回忌供養の願文と紀年銘を刻む。
碑面上方、主尊種子「タラーク」
虚空蔵菩薩の種子「タラーク」を薬研彫する。
石塔婆下方、刻銘
刻銘は、上方に「胎蔵大日真言」、下方中央に「應永八年(1401)六月日、孝子、敬白」と紀年銘、
その両側に「右志者理道禅門卅三年忌景、乃至法界衆生平等利益故也」の造立趣旨を刻む。
「ケン」 「ウーン」 「ラ」 「ビ」 「ア」
「大日如来報身真言(胎蔵大日真言)」
大日如来報身真言「ア・ビ・ラ・ウーン・ケン」を向って右から刻む。
種子は、右隣の応永十年銘碑と同じ彫り方をしている。 | 刻銘:「應永八年(1401)六月」 |
多福院(たふくいん)山門脇 石塔婆群 後列部分 (市指定文化財、南北朝時代~室町時代、粘板岩)
向って右端から三基目が応永十年(1403)銘碑、その左が応永八年(1401)銘碑。
*JR石巻線・仙石線 「石巻駅」下車、南東方向へ徒歩 約1.6Km。
(撮影:平成26年4月10日)