専称廃寺跡(せんしょうはいじあと)(菅原神社)(宮城県石巻市湊字鹿妻山)
時宗の法号「志阿弥陀仏」がある名号石塔婆で、本石塔婆群中 三番目に古い南北朝時代前期 暦応元年(1339)の紀年銘がある。
専称廃寺跡 名号石塔婆 (南北朝時代前期 暦応元年 1338年、粘板岩、高さ 134Cm 幅 61Cm 厚さ 12Cm)
二等辺三角形の形状で、碑面は研磨されている。身部は、中央に大きく六字名号、下方は「志阿弥陀仏」の法号と紀年銘を刻む。 |
石塔婆、下方の刻銘
下方向って右側に「志阿弥陀佛」、左側に「暦應元秊(1338)閏七月廿八日」、と刻んでいる。
「暦応元年(1338)」は、本石塔婆群 37基の中で三番目に古く、今回撮影した中では一番古い。ちなみに最古は、永仁四年(1296)銘。
刻銘:「暦應元秊(1338)閏七月廿八日」 | 刻銘:「志阿弥陀佛」 |
「暦應元年(1338)」を「應永元年(1394)」と記載した本もあったが、上記写真の通り、「暦應元年」が正しい。
専称廃寺跡(せんしょうはいじあと)(菅原神社)(宮城県石巻市湊字鹿妻山)
時宗独特の文字で六字名号を刻んだ石塔婆で、南北朝時代中期 康安元年(1361)の紀年銘がある。
専称廃寺跡 名号石塔婆 (南北朝時代中期 康安元年 1361年、粘板岩、高さ 96Cm 幅 18Cm 厚さ 15Cm) |
幅の狭い四角すい様な形状。身部は、中央に大きく六字名号、下方は「信阿弥陀仏」の法号と紀年銘を刻む。
六字名号:「南無阿弥陀佛」 | 刻銘:「信阿弥陀佛」 |
時宗の六字名号は、「南無阿弥陀佛」の「弥」の弓偏が半月状に書かれているのが特徴という。
石塔婆、下方の刻銘
下方向って右側に「信阿弥陀佛」、左側に「康安元(1361)、四月、十八日」、と刻んでいる。
「暦応元年(1338)」は、本石塔婆群 37基の中で五番目に古い。
碑面 紀年銘
刻銘:「康安元(1361)、四月、十八日」
専称廃寺跡(菅原神社)石塔婆群
石塔婆群は、菅原神社の裏手に37基、このうち32基が名号を刻んでいる。
名号を刻んだ石塔婆で、一番古いのは永仁四年(1296)で、下限は永享二年(1430)になっている。
*JR石巻線 「渡波(わたのは)駅」下車、北西方向へ徒歩 約2.3Km。
(撮影:平成26年4月10日)