来迎寺(らいこうじ)石造宝塔

 来迎寺(らいこうじ)(三重県伊賀市上友田3396)

来迎寺石造宝塔(県指定文化財、鎌倉時代後期 応長二年 1312年、花崗岩、高さ 195Cm)

柱や束を刻んだ高欄の上にやや長い首部をつくる
本堂の手前、向かって左端に立っている 基礎側面、三面は輪郭を巻き内に格狭間を入れ、他の一面は銘文を刻む

屋根の頂部に露盤をつくり、四隅に降棟(くだりむね)を刻出する。軒は緩やかに反っている

屋根の軒裏は、二重の垂木型を作り出す
基礎下には、大和様式の複弁反花座を据える 宝塔は、念仏講の人達が現生の安穏、後世の善処を願って造られた

塔身軸部は、四方に桟唐戸(さんからど)風の扉型を刻出する

相輪は完存する。下から伏鉢・請花・九輪・請花・宝珠で六輪目の上で折れ、補修されている。この宝塔は、もと阿弥陀寺にあったもの

基礎正面に七行の刻銘がある

刻銘:「阿弥陀寺、念仏講衆、現生安穏、後生善処、応長二年(1312)、二月廿八日、造立之」

阿弥陀寺は、近くにあった熊野社の神宮寺で来迎寺に合併された。「現世安穏、後生善処」は、

法華経 薬草喩品に出る偈(げ)で、「現世では安穏に過ごし、来世では善き処(ところ)に生まれる」の意

来迎寺近辺のススキ

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来 迎 寺 (らいこうじ)

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* JR関西本線 「新堂駅」下車、北方向へ徒歩 約50分。

(撮影:平成21年10月15日)