湯船(ゆぶね)(熊野神社跡)宝篋印塔

 湯船(ゆぶね)(熊野神社跡)宝篋印塔(京都府相楽郡和束町湯船 五ノ瀬)

  笠の隅飾りは二弧輪郭つきで、この式のものでは早期の例。基礎に鎌倉時代 弘安十年(1283)の紀年銘がある。

湯船(熊野神社跡)宝篋印塔(鎌倉時代中期 弘安十年 1287年、花崗岩、高さ 184Cm)

塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫りする(ウーン:阿シュク如来)
宝篋印塔は、杉の大木の下にある。不恰好な相輪は後補。 塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫りする(タラーク:宝生如来)

笠は上六段、下二段で、隅飾りは二弧輪郭つき。

塔身、金剛界四仏の種子を月輪内に薬研彫りする(キリーク:阿弥陀如来)
基礎は、上端二段。側面に弘安十年(1287)の紀年銘がある 塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫りする(アク:不空成就)

基礎の刻銘は四行にわたり、「弘安十年(1287)丁亥八月二日、願主佐伯包光」と刻む。

隅飾は、二弧で輪郭付きで内は無地。隅飾りの仕様は、この式のものでは早期のもの。

  湯船(ゆぶね)宝篋印塔残欠

   湯船宝篋印塔の横にあり、基礎に鎌倉時代後期 正応四年(1291)紀年銘と大工 行長の銘がある。

宝篋印塔残欠(鎌倉時代後期 正応四年 1291年、花崗岩)(基礎と笠が当初のもの)

基礎に「正応四年(1291)四月四日、大工行長」の銘がある。

※ 大工行長は、長野県飯田市の文永寺石室・五輪塔(弘安六年 1283年)をつくった菅原行長とみられている。

 金胎寺(こんたいじ) 宝篋印塔                          石仏と石塔-目次!

JR加茂駅から和束町小杉行きのバスにのり、「五ノ瀬バス停」で下車、左手に大きな杉の木が見える。そこが熊野神社跡。木の下に宝篋印塔がある。

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*JR加茂駅より奈良交通バス 和束町小杉行きに乗車、「五ノ瀬バス停」下車 徒歩約3分。

(撮影:平成20年3月5日)