東福寺(とうふくじ)十三重石塔

 東福寺(とうふくじ)(京都市東山区本町15丁目778)

 臨済宗東福寺派の大本山。聖一国師をを開山とし、関白九条道家が財力を傾けた。東大寺・興福寺と並ぶ大寺の建立を発願し、両寺の名から一寺ずつとって東福寺とした

東福寺十三重石塔(重要文化財、南北朝時代 康永二年 1343年、花崗岩、高さ 442Cm)

初層軸部、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(キリーク:阿弥陀)
五社成就宮の境内に立つこの石塔は、すっきりとして美しい姿を見せる 初層軸部、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(アク:不空成就)

初層軸部に刻まれた金剛界四仏の種子(梵字)が、鎌倉時代の雄渾なものから、柔らかな筆致に変化し、時代の流れを告げている

初層・二層屋根

屋根の軒反は少なく、両端でわずかに反り、軒下に薄い一重の垂木型をつくる

初層軸部、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(ウーン:阿閦)
初層軸部、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(タラーク:宝生) 東福寺を創立した藤原道家が、比良明神の告により建てたと伝える

基  礎 (南面)

背面(東面)を除く三面は、輪郭を巻き鎌倉時代系統の大きい格狭間をつくる

相輪は水煙を刻み出し、その上の請花・宝珠を欠失する。水煙上端に枘(ほぞ)穴があり、上の請花・宝珠を別石で作り、枘穴に差込んだ

基  礎 背 面 (東面)

基礎に刻銘があり、磨滅しているが左端に「康永二(1343)癸未仏生日・・・・・造立」の銘が刻まれている

康永二年(1343)の釈迦誕生日(四月八日)に造立された

東司(とうす:便所)(重要文化財、室町時代、100人便所) 五社成就宮(府指定文化財、室町時代 文禄三年、一間社流造)

禅堂(重要文化財、室町時代 貞和三年 1347年、桁行七間梁間四間、本瓦葺)

我国、最大最古の禅道場

浴室(重文、室町時代 長禄三年 1459年、桁行三間梁間四間、本瓦葺) 本堂(昭和九年 1934年、天井の画竜は堂本印象の力作)

 九条家墓地宝篋印塔(東福寺境内)                        石仏と石塔-目次!

東福寺三門(国宝、室町時代 応永十二年 1405年、五間三戸、二階二重門、入母屋造、本瓦葺

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*東福寺へはJR・京阪「東福寺駅」下車、徒歩10分

(撮影:平成19年4月21日、平成22年5月21日)