天王 極楽寺(ごくらくじ)阿弥陀三尊種子板碑

 極楽寺(ごくらくじ)(京都府京田辺市天王大岩41)

   鎌倉時代の板碑が少ない関西地方で、小型ながら本格的な形状の板碑。身部に阿弥陀三尊種子と正中二年(1325)の紀年銘を刻む。

極楽寺(ごくらくじ)阿弥陀三尊種子板碑(鎌倉時代後期 正中二年 1325年、花崗岩、地上高 84Cm 下幅 26Cm)

門内右手に立つ。もとは近くの天王墓地にあったもので、極楽寺に移された。身部は、阿弥陀三尊種子を蓮座上に、下方に紀年銘を刻む。

板碑 頭部

頭部 山形はやや尖り、下に二条線、身部の輪郭はない。

身部上方、蓮座上に「阿弥陀三尊」の種子を刻む 花崗岩製で、小型ながら厚みがあり、重量感に富んでいる。

阿弥陀三尊種子は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を刻む。

主尊の阿弥陀種子は月輪で荘厳し、脇侍の観音・勢至種子は月輪がない。三尊種子は、共通の大きな蓮座上に刻まれている。

身部 下方

刻銘は風化・摩耗が激しく、ほとんど読めないが、向って左側に「正中二(1325)乙丑、十一月口の紀年銘が残る。

移転当初は地上高107Cmで現在は84Cm、かなり埋まっている。 刻銘:「正中二(1325)、乙丑、十一月口」

極楽寺 南側(左手)にある石造物

極楽寺から少し南へ行った所、歴代住職墓と思われる石造物群で、中央に二基の大きい名号板碑が置かれている。

 極楽寺(ごくらくじ)九重石塔.                              石仏と石塔-目次!

極楽寺(ごくらくじ)(浄土宗 知恩院派)

 板碑(いたび)

*京阪電鉄 「枚方市駅」 下車、駅前から京阪バス 「天王」行きに乗車、終点「天王バス停」下車、西方向へ徒歩 約8分。枚方市駅からの天王行きバスは本数が少ない為、「穂谷バス停」で乗り継いで行くと便利。

(撮影:平成25年7月31日)