天王 極楽寺(ごくらくじ)九重石塔

 極楽寺(ごくらくじ)九重石塔(京田辺市天王大岩41)

  数少ない室町時代の在銘石塔で、寛正五年(1464)の紀年銘がある。

極楽寺(ごくらくじ)九重石塔 (重要美術品、室町時代中期 寛正五年 1464年、花崗岩、高さ 330Cm)

門内右手に立つ。もとは近くの天王墓地にあったもので、板碑と共に昭和二十六年(1951)に極楽寺境内に移された。

数少ない室町時代の石造層塔。初層軸部は月輪内に金剛界四仏の種子を刻み、九層目の屋根石は後補、相輪は水煙がついており頂上の請花・宝珠を欠損する。

初層・二層屋根

各層屋根の上部に低い上層の軸部をつくりだす。軒は水平部が長く両端で反り、軒下に薄い一重の垂木型を刻出する。

初層軸部、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(タラーク:宝生) 初層軸部、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(アク:不空成就)

初層軸部、側面(南・北面)の金剛界四仏種子

初層軸部、正面(東面)

月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(ウーン:阿閦如来)

初層背面、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(キリーク:阿弥陀) 相輪、水煙がついており、頂上の請花・宝珠を欠損する。

基礎背面

基礎は四面とも素面、背面に「寛正五年(1464)の紀年銘がある。

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天王 極楽寺 本堂

極楽寺は、鎌倉時代後期 嘉暦年間(1326~29)に仏念和尚の開基と伝える浄土宗知恩院派の寺院。

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*京阪電鉄 「枚方市駅」 下車、駅前から京阪バス 「天王」行きに乗車、終点「天王バス停」下車、西方向へ徒歩 約8分。枚方市駅からの天王行きバスは本数が少ない為、「穂谷バス停」で乗り継いで行くと便利。

(撮影:平成25年7月31日)