二尊院(にそんいん)宝篋印塔・空公行状碑

 二尊院(にそんいん)(京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町27)

 二尊院は承和八年(841)嵯峨天皇の勅願により慈覚大師が創立した。天台宗山門派(延暦寺)の寺院

 宝篋印塔(ほうきょういんとう)

二尊院(にそんいん)宝篋印塔(重要美術品、鎌倉時代後期、花崗岩、相輪をつけた高さ 255Cm)

塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(正面、ウーン:阿閦)
二尊院墓地の西北端、三石塔の南側(左側)に立つ 塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(南面、タラーク:宝生)

宝篋印塔 笠

笠は下二段、上六段で、上下二石で別石。隅飾も別石で、三弧輪郭付、内に蓮華座上月輪内に梵字「ア」を刻み、やや外傾する

塔身、蓮華座上月輪に金剛界四仏の種子を刻む(背面、キリーク:阿弥陀)
塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(北面、アク:不空成就) 古来、後奈良天皇墓として伝える。鎌倉時代後期 中頃の作品

基礎は壇上積式で、上端は別石で二段、側面は四面とも形のよい格狭間を大きく刻む

相輪は、南面に置かれている。水煙付きで宝珠を失う 隅飾は、輪郭つきの三弧。八面とも、内部の小月輪に梵字「ア」を刻む

  二尊院(にそんいん)空公行状碑

二尊院(にそんいん)空公行状碑(鎌倉時代中期 建長五年 1253年、花崗岩、高さ 137Cm)

基壇上部の葛石(かづらいし)中央から、美しい複弁反花座を作り出し、上に碑石を立てる。碑文は、空公の行状を三百数十字で刻む

二尊院を開いた正信房湛空の行状碑で、湛空は法然上人の高足であった。碑文は「口口口口空公上人行業碑、聖暦建長五口(1253)秋七月二十口口口口、

帰寂于西山二尊院、口年七十八、僧臘六十口」から始まり、終りに「大宋国慶元府打石、梁成覚刊」とある。(日本石造美術辞典、川勝政太郎 著、東京堂出版)

石碑上部

「空公行状」と額の部分に二行で大きく刻む

空公行状碑の基壇

大きな壇上積基壇で、羽目には格狭間を入れる

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二尊院 本堂 (市指定文化財、室町時代)

 石  碑(せきひ)

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*JR嵯峨野線(山陰線)「嵯峨嵐山駅」下車 徒歩20分または京都市バス「嵯峨小学校」下車 徒歩5分

(撮影:平成21年12月22日、平成19年7月15日)