旧 海老谷会所(きゅうえびたにかいしょ)跡 宝篋印塔(京都府南丹市日吉町四ツ谷海老谷)
東側山裾の旧海老谷会所跡に三基の宝篋印塔がある。三基とも室町時代前期 応永年号の紀年銘を持つ。
旧 海老谷会所跡 宝篋印塔(中央塔)(市指定文化財、室町時代前期 応永八年 1401年、花崗岩、高さ 118Cm)
塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(キリーク:阿弥陀) | ||
威音寺塔の南東 約200m、現在は建物がない旧会所跡に立っている | 塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(ウーン:阿閦如来) |
笠
笠の段形は、下二段、上六段、隅飾は二弧輪郭つきで内は無地、外傾する
蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(アク:不空成就) | 蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(タラーク:宝生如来) |
塔身の金剛界四仏は、方向が西(阿弥陀)、北(不空成就)、東(阿閦)、南(宝生)と正しく置かれている。また、蓮華座を大きく刻んでいるのが特徴的である。
基 礎 正 面
基礎上端は複弁反花、側面三面は輪郭を巻き内に格狭間をつくり、残る一面(背面)は無地で銘文を刻む
相輪は下から伏鉢、複弁の請花、九輪、単弁の請花、宝珠で完存する。近くの威音寺塔と酷似しており、同作者の作品と思われる |
基礎 背面
背面に、「右意趣者、値口口禅門三十三廻之辰、奉彼塔婆造立口口口普利化生楽土者、応永八年(1401)辛巳十月一日、孝子等敬白」と刻む
旧 海老谷会所(きゅうえびたにかいしょ)跡 宝篋印塔(左・右塔)
左塔(室町前期、応永二十二年 1415年、花崗岩、高さ 75Cm) | 向かって右塔(室町前期、応永十七年 1410年、花崗岩、高さ 68Cm) |
どちらも市指定文化財で応永年号の刻銘がある。残念ながら両塔とも、塔身と相輪の上部を欠失する。
向かって左塔の基礎
格狭間内に、仏像のように見えるものが刻まれている
旧 会所跡に三基並んで立つ応永年号(室町時代前期)塔
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*JR山陰本線 園部駅西口、又は日吉駅から南丹市営バス 和泉行き乗車、「診療所前バス停」下車 北方向へ約20分。
(撮影:平成22年12月6日)