威音寺(いおんじ)宝篋印塔

 威音寺(いおんじ)宝篋印塔(京都府南丹市日吉町四ツ谷風呂ノ本3)

  この近辺では、この応永十一年(1404)塔をはじめ、約200m向かいの海老谷会所跡にも応永年号塔が三基、海老坂峠にも南北朝時代の大型宝篋印塔がある。

威音寺宝篋印塔(市指定文化財、室町時代前期 応永十一年 1404年、花崗岩、高さ 145Cm)

塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(正面、アク:不空成就)
石塔は、威音寺の手前 、コンクリート舗装の小道沿いに立っている 塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(西面、ウーン:阿閦)

金剛界四仏種子の方向は、不空成就(アク)の方向が正方向では北で、現在南向きに置かれており、180°反対になっている。

笠の段形は、下二段、上六段、隅飾(すみかざり)は二弧輪郭つきで内は無地、外傾する

塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(背面、タラーク:宝生)
蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(東面、キリーク:阿弥陀) 近くの海老谷会所跡地にも、応永年号の宝篋印塔が三基立つ

基 礎 正 面

基礎上端は複弁反花、側面三面は輪郭を巻き内に格狭間をつくり、残る一面は無地で銘文を刻む

相輪は下から伏鉢、複弁の請花、九輪、単弁の請花、宝珠で完存する。反花のふくらみなどに南北朝時代の形式を引きずっている

基礎 西面

この一面のみ側面が無地で、「応永十一年(1404)の紀年銘など銘文を刻む

 旧 海老谷(きゅうえびたに)会所跡宝篋印塔                     石仏と石塔-目次!

威音寺(いおんじ)宝篋印塔 西面

宝篋印塔紀年順  無量光寺(むりょうこうじ)応永十四年銘 宝篋印塔(室町時代前期)  宝篋印塔-紀年順-目次

*JR山陰本線 園部駅西口、又は日吉駅から南丹市営バス 和泉行き乗車、「診療所前バス停」下車 北方向へ約20分。

(撮影:平成22年12月6日)