願成就院(がんじょうじゅいん)石造宝塔

 願成就院(がんじょうじゅいん)峯薬師堂(岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関)

   洗練された形式の美しい宝塔で、平安時代後期の作品。国の重要文化財に指定されている。

願成就院(がんじょうじゅいん)石造宝塔 (重要文化財、平安時代後期、安山岩、高さ 125.2Cm)

相輪部は請花・宝珠とし、笠と共石で作られ、背は低く古調を示す。
中尊寺本堂の西側、隣接する峯薬師堂の前に安置されている。 塔身頂部は、首部を作り出し、首部の側面は無地。

屋根の勾配は緩く、軒反りも穏やかで、頂部の請花・宝珠と一石で作り出す。

塔身西面、月輪内に阿閦(あしゅく)如来の種子「ウーン」を薬研彫する。 塔身北面、月輪内に宝生如来の種子「タラーク」を薬研彫する。

塔身は背の低い壺型で、四方に金剛界四仏の種子を月輪内に薬研彫する。後世の移動か、種子の配置は180度逆に動いている。

願成就院(がんじょうじゅいん)石造宝塔 (重要文化財、平安時代後期)

各部 全てが古式を示し、種子も優雅で美しく、洗練された姿を見せている。

塔身東面、月輪内に阿弥陀如来の種子「キリーク」を薬研彫する。 塔身南面、月輪内に不空成就如来の種子「アク」を薬研彫する。

塔身の内部は、円形の刳り抜きになっていて、経筒または蔵骨容器を納めた可能性があると考えられている。

基 礎

基礎の背は低く、安定感があり古式を示す。

屋根以上が五輪塔形に造られた宝塔で、平泉では十二世紀に限定された時期に造立され、「平泉型宝塔」とも呼ばれている。

紅葉の峯薬師堂(みねやくしどう)

秋のシーズンには、美しい紅葉の名所となっている。

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中尊寺(ちゅうそんじ)本堂

峯薬師堂の東側が、中尊寺本堂となっている。

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*JR東北本線「平泉駅」下車、徒歩25分、または平泉町巡回バスに乗車 「中尊寺バス停下車」、徒歩。平泉駅前でレンタサイクルも利用できる。

(撮影:平成25年10月12日、平成22年11月13日)