西福寺(さいふくじ)阿弥陀三尊種子板碑 (兵庫県加西市北条町東高室222-1)
石棺材を転用した板碑で、阿弥陀三尊種子を主尊とする。鎌倉時代後期 嘉元三年(1305)の紀年銘がある。
西福寺(さいふくじ)阿弥陀三尊種子板碑 (鎌倉時代後期 嘉元三年 1305年、凝灰岩、高さ 118Cm 幅 36Cm)
本堂左側(西側)の墓地に立つ。高室石(凝灰岩)製 石棺の長側石を転用、板碑上方に阿弥陀三尊種子、下方に銘文を刻む。 |
板碑 頭部
頂部水平、下に二段の切込をつくる。
身部上方、阿弥陀三尊種子
三尊種子は、上方に大きく阿弥陀種子「キリーク」、向って右下 に観音種子「サ」、左に勢至種子「サク」を刻む。
三尊種子は、右下に向って傾き、その表現は来迎阿弥陀三尊を表すという。
上方に阿弥陀三尊種子、その下に「法華経方便品」に出る偈を刻む。 | 身部下方の刻銘 |
身部下方の刻銘は、上半に「十方佛土中、唯有一乗法、无二亦无三、除佛方便説」の法華経 方便品に出る偈(げ)を刻み、
梵字「サ」の右側から下 に「右志者口口三十三年、口口孝子」、下方中央に「嘉元三秊(1305)」、右に「十二月」、左に「十六日、敬白」と刻む。
法華経 方便品に出る偈(げ)
偈(げ):「十方佛土中(じっぽうぶつどちゅう)唯有一乗法(ゆいういちじょうほう)无二亦无三(むにやくむさん) 除佛方便説(じょぶつほうべんせつ)」
[ 十方の仏土の中には、ただ一乗の法のみあり、二もなく三もなし。仏の方便の説を除く ]
板碑 下方
刻銘は、中央に「嘉元三秊(1305)」、向って右に「十二月」、左に「十六日、敬白」と刻む。
刻銘の下、根部は突出する。
刻銘:「嘉元三秊(1305)」 | 板碑、側・背面、上端 二段の切込は、側面にまで及ぶ。 |
西福寺、門内左手の石仏群
西福寺(さいふくじ)(曹洞宗)
*北条鉄道「北条駅」 下車 、南方向へ直線距離で 約2Km。北条駅構内の観光案内所で、レンタサイクルが利用できる。
(撮影:平成25年8月4日)