陽泉寺(ようせんじ)(福島県福島市下鳥渡字寺東17)
福島県に多い阿弥陀三尊来迎石仏の中で最優秀作品。鎌倉時代中期 正嘉二年(1258)の銘がある。
下鳥渡(しもとりわた)供養石塔(国史跡、鎌倉時代中期 正嘉二年 1258年、凝灰岩、高さ 168Cm)
自然石を彫り沈め、往生の念仏信者を極楽へ迎えようとする阿弥陀を薄肉に刻む。三尊は雲に乗り、弥陀は、観音・勢至の両菩薩を従える |
中央の阿弥陀如来は光明放射の頭光を負い、観音菩薩は蓮台を前にさしだし、勢至菩薩は両手を合わせ合掌する。両菩薩も円形の頭光を負う。
来迎阿弥陀三尊石仏 下部
細かく彫られた飛雲の表現が見事で、三尊の衲衣が風にたなびき、動きのある表現になっている
刻銘:「正嘉二年(1258)大歳戊午九月十八日」 | 向かって右側刻銘:「右志者為悲母也、平氏女敬白」 |
鎌倉時代中期 正嘉二年(1258)に亡き母の供養の為、平氏出身の女性が造立した。長い間土面に伏せっていた為、美しく残っている。
供養石塔の覆堂
施錠されているが、正面と左面に格子が入り、見ることができる。もう少し大きな格子であって欲しい
陽泉寺(ようせんじ)
本尊は釈迦如来坐像(重文)で、南北朝時代 応安四年(1371)の銘がある
*JR東北線「南福島駅」から西に約56分。陽泉寺の北 約100m、木立の中の覆堂に安置されている。
(撮影:平成22年11月17日)