阿邪訶根(あさかね)神社 釈迦曼荼羅碑

 阿邪訶根神社(あさかねじんじゃ)(福島県郡山市大町2-14-1)

  神社境内に立つ曼荼羅碑は、松平定信が編集した「集古十種」にも収められ治暦三年(1067)の刻銘がある。ただ、刻銘は追刻というのが常識になっている。

阿邪訶根神社釈迦曼荼羅碑県指定文化財、平安時代 治暦三年 1067年、凝灰岩、高さ 273Cm 下幅 130Cm

板碑は頂部が山形で、二段の切込はなく額部を有する。身部上方に釈迦如来の種子「バク」を中心に三重円からなる曼荼羅を構成する

板碑 頭部

頭頂が山形で、二段の切込はなく、額部(がくぶ)を有する

曼荼羅 頭部

中心の月輪に釈迦の種子「バク」を刻み、その外 中円内の上下左右に各々月輪を刻み内に梵字(種子)を刻む。

その外 大円内に八個の月輪を刻み内に梵字(種子)を刻む。梵字(種子)は、中心の釈迦「バク」を除いてほぼ判読不明

「集古十種」の記載によれば「治暦三(1067)丁未二月」の他、妙法蓮華経、阿闍梨僧国など多数の刻銘を図示している。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「集古十種」の記載によれば「治暦三(1067)丁未二月」の銘ありし由なるも甚だ信ずるにに足らざると云う如きである。(服部清道著「板碑概説」)

塔身 下部

草体の銘文が刻まれているが判読できない

阿邪訶根(あさかね)神社 阿弥陀三尊塔婆

 阿邪訶根神社(あさかねじんじゃ)(福島県郡山市大町2-14-1)

阿邪訶根神社 阿弥陀三尊塔婆(市指定文化財、鎌倉時代末期、凝灰岩、高さ 91Cm 幅 62Cm)

曼荼羅碑の向かって左下に置かれる。塔婆は、厨子をかたどった縁内に、阿弥陀三尊を浮彫にする。頭光や飛雲は、刻まれていない

中尊に向かって右が観音菩薩で、極楽浄土に生まれ変わる者を取り上げる為の蓮台を持ち、左側の勢至菩薩は合掌する。両菩薩とも中尊に向かって膝をかがめる。

曼荼羅碑と塔婆の覆屋

 如法寺(にょほうじ)石造笠塔婆                            石仏と石塔-目次!

阿邪訶根(あさかね)神社 拝殿

江戸時代中期 寛延三年(1750)再建、切破風造

 板碑(いたび)                             石  仏-紀年順-目次

*JR東北本線「郡山駅」下車、北西方向へ徒歩 約10分。

(撮影:平成22年11月17日)