丸山(まるやま)石造宝塔

 丸山(まるやま)石造宝塔(福井県丹生郡越前町大谷寺54-32)

  石造宝塔は、泰澄大師の供養塔と伝える

丸山 石造宝塔(重要美術品、南北朝時代前期 観応三年 1352年、凝灰岩、高さ 194Cm)

塔身は壺型で、四方に金剛界四仏の種子を刻む(正面、キリーク:阿弥陀)
石塔は、大谷寺の前の道を約500m北東に行った小高い所に立っている 塔身は壺型で、四方に金剛界四仏の種子を刻む(北面、アク:不空成就)

塔身四方の「蓮華座を薄肉に美しく陽刻し、蓮華座上に月輪を小蓮弁で巡らし、内に梵字を刻む」形式は、大谷寺の九重石塔と同じでこの地方の特色である

石造宝塔 笠

笠の上部は二段で露盤を表し、四方に三筋の降棟を刻出しする。軒は厚く、軒はおだやかに反る。軒裏に一段の垂木型を刻出する

塔身は壺型で、四方に金剛界四仏の種子を刻む(東面、ウーン:阿閦)
塔身は壺型で、四方に金剛界四仏の種子を刻む(南面、タラーク:宝生) 石塔は、別畑石(べつばたいし)という地元の凝灰岩で造られている

基礎 正面

基礎上端は低平な複弁反花、側面は四面とも左右に竪連子と格狭間を上下に配している。正面中央に銘文を刻む

銘文:「如法如説口造立如件、観応三口(1352)七月十一日敬白」

相輪は最下端の伏鉢を反花とし、請花・九輪と続く。九輪上の請花・宝珠は、残念ながら欠失する。

石造宝塔 南面

基礎下、二段の基壇上部に切込があり、如法教を納めたと思われる

基礎正面中央の銘文(写真、左上):「如法如説口造立如件、観応三口(1352)七月十一日敬白」

大谷寺の集落

山々や里が紅葉しているなかで、竹薮の緑が新鮮にうつった

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大谷寺(おおたにじ)にあった宝篋印塔

塔身の蓮華座・月輪や基礎側面の竪連子・格狭間の配し方が当地の地方色を表している

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*福井駅前から京福バス 織田線 織田行きに乗車42分、「小倉バス停」下車 西北西方向へ徒歩 約30分。大谷寺の前の道を北東方向へ約500m行くと丘の上に立っている。木が茂って見えにくいので、道路側に設置してある丸山宝塔の説明板が目印になる。

(撮影:平成21年11月24日)