大谷寺(おおたにじ)九重石塔

 大谷寺(おおたにじ・おおたんじ)(福井県丹生郡越前町大谷寺40-4-1)

  奈良時代、泰澄が開いたと伝えられる山岳仏教寺院の古刹。現在は天台宗の寺院

大谷寺九重石塔(重要文化財、鎌倉時代後期 元亨三年 1323年、凝灰岩、高さ 439Cm)

初層軸部、蓮華座上月輪内に阿弥陀三尊の種子を刻む(正面:阿弥陀)
九重石塔は本堂の後方、奥の院の入口あたりに立っている 初層軸部、蓮華座は薄肉に美しく陽刻されている(向かって左面、サク:勢至)

石塔は、地元産の笏谷石(凝灰岩)で造られている

初層・二層部 屋根

屋根は軒が厚く、力強い軒反(のきぞり)をしめす。軒裏に一段の垂木型を刻出する

初層軸部、月輪は小蓮弁を巡らして飾る(向かって右面、サ:観音菩薩)
初層軸部、正面と側面二面で阿弥陀三尊とし、背面は素面 初層軸部の阿弥陀三尊より、浄土信仰による造塔であることが分かる

基礎 正面

基礎の正面に「元亨第三(1323)、癸亥、三月四日、願主金資、行現、大工平末光」と六行にわたる銘文がある

水煙は独立せず、九輪の八・九輪目につくらている
相輪は、上部が水煙・竜車・宝珠の層塔型 相輪最下部の伏鉢は、複弁の反花(かえりばな)

基礎上端の複弁反花

基礎上端に、層塔では珍しい複弁反花を刻出する

泰澄大師 廟所(九重石塔)

石塔は、大谷寺を開き神護景雲元年(767)にこの寺で没した泰澄の廟所として信仰されている

大谷寺奥の院からの風景

遠くに冠雪した白山と思われる山々が遠望できる

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大 谷 寺 (おおたにじ)

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*福井駅前から京福バス 織田線 織田行きに乗車42分、「小倉バス停」下車 西北西方向へ徒歩 約22分。

(撮影:平成21年11月24日)