浄真寺(じょうしんじ)胎蔵界曼荼羅板碑

 浄真寺(じょうしんじ)(山口県周南市大字富田2960)

  胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)中台八葉院を刻んだ板碑で、鎌倉時代中期の作品と推定されている

浄真寺(じょうしんじ)胎蔵界曼荼羅板碑 (市指定文化財、鎌倉時代中期、安山岩、高さ 59Cm 下幅 39Cm 厚さ 14Cm)

本堂に向って左手、墓地に抜ける通路に立つ。平野石と呼ばれる安山岩の表面を研磨し、胎蔵界曼荼羅中台八葉院と願文を刻む。

胎蔵界曼荼羅 中台八葉院

中台八葉院は、中央二重月輪内に胎蔵界大日種子「アーク」、周囲の八葉蓮弁中に四如来・四菩薩の種子を下記の通り刻む。

弥勒菩薩の種子「ユ」 - - 宝幢如来の種子「ア」 - - 普賢菩薩の種子「アン」
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天鼓雷音の種子「アク」 - -     胎蔵界大日如来の種子「アーク」     - - 開敷華王の種子「アー」
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観自在菩薩の種子「ボ」 - - 無量寿の種子「アン」 - - 文殊菩薩の種子「ア」

中央の大日如来四如来(黄文字色)四菩薩(青文字色)

板碑 下部

右方に四行の刻銘が残っている。当初は墨書され、後に文字を彫り込んだが、中程で中止されたと推定されている。

刻銘:「右志者為過、去幽霊僧學、圓出離生死、往生極楽頓、證菩提也、(紀年銘)

刻銘:「右志者為過、去幽霊僧學、圓出離生死、往生極楽頓

中台八葉院の蓮弁は、おごそかに二重輪郭で表現されている。

曼荼羅板碑と一石五輪塔(市文、鎌倉時代中期)

板碑と一石五輪塔は、もと寺裏の田圃の畔から掘り出されたもので、昭和55年(1980)に浄真寺に移された。

浄真寺、墓地への通路

板碑と一石五輪塔は、墓地への通路 入口(写真、奥)あたりに安置されている。

 浄真寺(じょうしんじ)五輪塔                          石仏と石塔-目次!

浄真寺(じょうしんじ)(浄土宗)

室町時代後期 弘治元年(1555)に創建されたという。

 板碑(いたび)

*JR山陽本線 徳山駅前より防長バス 防府駅・戸田駅・湯野温泉方面行きに乗車、「新町口バス停」下車、北方向へ徒歩 約5分。又は、「新南陽駅」下車、西北西方向へ徒歩 約1.4Km。

(撮影:平成26年 3月12日)