西南院(さいなんいん)五輪塔(弘安七年塔)

 西南院(さいなんいん)五輪塔(弘安七年塔)(和歌山県伊都郡高野町高野山249)

西南院五輪塔(県指定文化財、鎌倉時代後中期 弘安七年 1284年、砂岩、高さ 106Cm)

空輪は宝珠形、風輪は半球で、下部の球を火輪にくい込ませた形
西南院中庭の奥に四基の五輪塔が安置される、左から二基目 火輪、(軒は厚く、軒反は先端で反っている)

五輪塔 地輪南・東面〔正面に向かって左面(東面)に紀年銘が刻まれている〕

刻銘:「弘安七年十一月三日、沙弥證忍」

水輪正面、(ア・ビ・ラ・ウン・ケンの「ビ」の梵字を刻む)
水輪背面(金剛界大日如来の種子「バン」を刻む。上部に納入孔がある) 材質は砂岩、空・風・火輪を一石、地・水輪を一石で作っている

地輪背(南)面(十八名の僧名を刻んでいる)

地輪背面の刻銘:「覚敬 常阿 ○尊、寛恵 堯覚 良阿、瞻空 堯恵 弘海、重海 良聖 禅海、了海 重観 幸玄、覚諭 頼胤 朝守」

は、ごんべん(言)の右上にム、その下に月の字

五輪塔の正面に、弘安四年塔と同じく、大日如来の報身真言「ア・ビ・ラ・ウン・ケン」の梵字を刻む (梵字は、下から上に読む)

基礎西面(向かって右面、光明真言が梵字で刻まれている)

刻銘:「オン・ア・ボ・キャ・ベイ、ロ・シャ・ナ・マ・カ、ボ・ダラ・マ・ニ・ハン、ドマ・ジンバ・ラ・ハラ・バ、リ・タヤ・ウーン」

西南院 中庭

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四基並ぶ向かって右端が弘安七年塔

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*南海電鉄 高野線 ケーブル高野山駅から南海バス大門行き乗車、「弁天前バス停」下車すぐ。西南院の中庭は、普段立入り禁止になっており、前もっての了解が必要。

(撮影:平成21年4月23日)