六郷極楽寺 正平七年銘五輪塔

 六郷極楽寺(ろくごうごくらくじ)[和歌山県橋本市神野々(このの)]

  南面の各輪に「南・無・阿・弥・陀佛」の六字名号を刻んだ五輪塔で、南朝年号 正平七年(1352)の紀年銘がある。

六郷極楽寺 五輪塔(市指定文化財、南北朝時代 正平七年 1352年、砂岩、高さ 126.5Cm)

風・空輪、一石からなり空輪は宝珠の形。
本堂前に立つ二基の五輪塔の内、向って左側に立つ。 火輪、正面を大破する。南面の各輪に「南無阿弥陀仏」の名号を刻む。

火 輪

軒口はやや厚く、降棟の勾配はやや深い。

水 輪

最大径が上方にあり、肩が張った壺型になっている。

五輪塔 南面 五輪塔 北面
南面の空・風輪から下の火・水・地輪にかけて各輪に「南・無・阿・弥・陀佛」の六字名号を刻む珍しい形式で、阿弥陀信仰が伺える。

また、東面と西面は、五輪塔四門の梵字が刻まれ、北面は何も刻まれていない。これは、南面の名号面が正面になるよう制作されたと思われる。

地 輪 (南面)

南面の中央に「陀佛」、向って右に「右壱者一結、衆等敬白」、左に「正平七年(1352)七月十五日」の刻銘がある。

刻銘:「正平七年(1352)七月十五日」 刻銘:「右壱者一結、衆等敬白

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六郷極楽寺 本堂

本堂前、左右に立つ二基の内、向って左側の五輪塔。右側は正平十三年(1358)銘五輪塔。

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*JR和歌山線「紀伊山田駅」下車、北方向へ徒歩6分。

(撮影:平成25年1月29日)