安養寺(あんようじ)(和歌山県日高郡みなべ町芝605-1)
安養寺に残る南部型板碑の一基で薬師種子を主尊とする追善板碑。鎌倉時代中期 文永十年(1273)の紀年銘がある。
安養寺(あんようじ)薬師一尊種子板碑 (県指定文化財、鎌倉時代中期 文永十年 1273年、砂岩、高さ 140Cm)
境内の板碑群南列 六基中、向って左から二基目に立つ。板碑は、板状の自然石を用いる独特の形状で、「南部型板碑」と呼ばれている。 |
身部は、上方に大きく薬師如来の種子「バイ」、下方に造立趣旨、造立者名、紀年銘を刻む。
板碑 頭部
頂部に、大まかな加工痕が見られる。
身部上方に、大きく薬師如来の種子「バイ」を薬研彫りする。 | 刻銘:「文永十年(1273)十二月日」 |
身部 下方
刻銘:「為先考往生極、楽御造立之、文永十年(1273)十二月日、敬白、比丘尼持口」
亡き父の極楽往生を願って、比丘尼 持口が本板碑を鎌倉時代中期 文永十年(1273)十二月に造立した。
安養寺(あんようじ)板碑群 南列 六基(県指定文化財、砂岩自然石)
薬師種子板碑は、向って左から二基目。
安養寺板碑群 東列 二基(市指定文化財、砂岩自然石)
安養寺(あんようじ)(真言宗御室派)
平安時代後期 寛和年中(985~6)恵心僧都源信が熊野巡錫の途次、現在地の西方300mに創建したと伝承されている。
*JR紀勢本線「南部駅」下車、北方向へ 徒歩 約6分。
(撮影:平成25年7月9日)