藤白峠(ふじしろとうげ)宝篋印塔

 藤白峠(ふじしろとうげ)宝篋印塔(和歌山県海南市下津町橋本)

  ここはもと地蔵峰寺(じぞうぶじ)の境内にあたり、同寺の施設として建てられた

藤白峠宝篋印塔(県指定文化財、鎌倉時代後期、砂岩・緑泥片岩、高さ 366Cm)

塔身正面、輪郭を作り月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(ウーン:阿閦)
宝篋印塔は、藤白神社から藤白坂を登りきった所に巨大な姿を現す 塔身、輪郭を作り月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(タラーク:宝生如来)

塔身は輪郭を作り、内部いっぱいに月輪を浅く沈め、金剛界四仏の種子を薬研彫りする

笠の段形は、下は二段、上六段、隅飾は二弧輪郭付で外側がやや反り気味、内は無地

塔身背面、輪郭を作り月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(キリーク:阿弥陀)
塔身、輪郭を作り月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(アク:不空成就) 緑泥片岩と砂岩を交互に積上げる。鎌倉時代後期の宝篋印塔

基礎は二枚の切石を重ね、上に二段の段形を別石でつくる

笠の隅飾(外線がゆるく弧状に外傾する) 相輪、下から伏鉢・覆輪つき単弁請花・九輪・覆輪つき単弁請花・宝珠

岩質が砂岩で壊れやすく、前面の向かって左側の隅飾(写真:向かって右側)が激しく傷んでいる

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藤  白  神  社

藤白王子は、熊野詣 九十九王子のなかでも熊野五体王子の一つで別格とされた

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*JR紀勢線「海南駅」下車、南方向へ徒歩 約50分(一部熊野古道)。

(撮影:平成21年3月17日)