神光寺(じんこうじ)(徳島県徳島市方上町門口23)
善光寺式阿弥陀三尊を正面に刻んだ板碑で、名作の誉れが高い。この種の板碑としては最も優秀で、最も美しい。
神光寺(じんこうじ)善光寺三尊板碑 (市指定文化財、鎌倉時代後期、緑泥片岩、高さ 172Cm 最大幅 90Cm)
板碑は本堂に向かって左側の庚申堂に安置されている。身部表面を長方形に彫り沈め、中央に阿弥陀三尊立像を半肉彫りする |
板碑 上部
頭部は山形で、二条線は刻まれていない
身部中央を舟形に彫り沈め、最下に三区格狭間入りの台座をつくり、その上に蓮華座上に立つ阿弥陀三尊、背後に七体の化仏を刻んでいる |
三尊は各々の蓮華座に立ち、光背は三尊すべてを覆う
阿弥陀の頭光より枝出する七箇の蓮台上に化仏を刻み、その周りを火焔文で覆う
中尊は、通肩の法衣を着し、右手は五指を開く施無畏印、左手は垂れ、親指と薬小指を合わせ他の二指をのばす、背後に二重光背をつくる |
中尊 阿弥陀頭部
頂部に肉髻、頭髪を縦横に線刻して螺髪をつくり、喉に三道を入れる
勢至菩薩(向かって左側の脇侍) | 観音菩薩(向かって右側の脇侍) |
両脇侍は、蓮華座上に立ち、頭上に宝冠を戴き、両手は胸前で宝珠を包む。宝冠の中央は、観音が阿弥陀の化仏、勢至は宝瓶をつけている
台 座
立体的に彫られ、正面は三区に分け、夫々形のいい格狭間をつくる
神光寺(じんこうじ) 庚申堂
板碑は、昭和52年に市の文化財に指定され、2年後の昭和54年に庚申堂に安置された
*JR徳島駅前から徳島市営バス 渋野行き乗車、「神光寺前バス停」下車 北西方向へ 約300m。又は、JR徳島線、「地蔵橋駅」下車 南西方向へ徒歩 約33分。
(撮影:平成22年5月31日)