早淵(はやぶち)線刻阿弥陀如来坐像

 早淵(はやぶち)線刻阿弥陀如来坐像(徳島県徳島市国府町早淵392-1-2)

   自然石の表面に線刻された定印の阿弥陀坐像で平安時代後期の作品。

早淵(はやぶち)線刻阿弥陀如来坐像(県指定文化財、平安時代後期 、結晶片岩、高さ 120Cm)

ほぼ舟形の自然石に定印を結ぶ阿弥陀坐像を線刻する。光背は、頭光・身光の二重円光背で、四重の線で表現されている

石仏は、国府小学校の東、約300mの小さなな墓地に安置されている。但し、ブロック造の小屋で、前面は幅のやや広い鉄格子。

石仏の頭部

お顔は満月相で、額の白毫や喉の三道を表現し、螺髪(らほつ)は刻まない

現地案内板、現代風で違和感がある 手は定印を結び、衲衣は偏袒右肩で、胸下まで広く開いている

石仏の下部

膝前の衣文線も流麗で、柔らかい線が美しい

右下部が欠けているが、欠けた所に線刻が見え、石仏を刻む前から欠けていたことが分かる

千僧墓地の板碑

 千僧墓地は、早淵の阿弥陀石仏と興禅寺の六地蔵の中間、国府町中あたりの広い墓地。偶然、道路から板碑が見えたので見学した。

千僧墓地 大日報身真言板碑(緑泥片岩)、身部を一重の輪郭で巻き、中央に「ア・ビ・ラ・ウーン・ケン」の大日報身真言を刻む

 興禅寺(こうぜんじ)六地蔵板碑                            石仏と石塔-目次!

千僧墓地 板碑、身部を幅の広い輪郭で巻き、中央上部に画像、もしくは梵字を刻む。摩耗が激しく判別できない

梵字であれば、バイ(薬師如来の種子)、もしくはキリーク(阿弥陀如来の種子)にも見える

 石  仏-紀年順-目次

 *早淵線刻阿弥陀線刻石仏は、JR徳島線「府中(こう)駅」下車、南方向へ徒歩 約15分。

(撮影:平成22年5月30日)