下浦(しもうら)阿弥陀三尊種子板碑

 下浦(しもうら)阿弥陀三尊種子板碑(徳島県名西郡石井町浦庄 下浦)

   阿弥陀三尊の種子を正面に刻んだ板碑で、背面に阿波型板碑最古 文永七年(1270)の銘がある

下浦 阿弥陀三尊種子板碑 (鎌倉時代中期 文永七年 1270年、結晶片岩、高さ 130Cm)

板碑は、上方に二条線、中央に阿弥陀三尊の種子を大蓮華座上に薬研彫し、背面に鎌倉時代中期 文永七年の紀年銘を刻む

阿波(徳島)は、西の板碑王国と言われるくらい、多くの板碑があり、徳島県下に約1500~2000基もの板碑があるといわれている。

板碑 上部

頭部山形、下に二条線を刻む

上方月輪内に阿弥陀の種子「キリーク」、下方の向かって右に観音の種子「サ」、左に勢至の種子「サク」を薬研彫し、阿弥陀三尊とする

阿波板碑は、鎌倉時代に守護が関東から来た佐々木・小笠原の両氏になり、吉野川流域から産出する緑泥片岩と相まって関東地方の板碑文化が広まった

背面、身部の左寄りに「文永七年(1270)、三月九日」と紀年銘を大きく刻む。この板碑は、阿波型板碑では最古の作品になる

二基の板碑

JR徳島線の脇に立っている

文永七年銘板碑の右横に、紀年銘はないが、月輪内に 同様の阿弥陀三尊の種子を刻んだ板碑が立っている

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板碑二基の他、五輪塔や石室が置かれている

 板碑(いたび)

*JR徳島線、「下浦駅」下車 西北西方向へ徒歩 約6分。

(撮影:平成22年5月30日)