市楽(いちらく)の板碑群(2)

 市楽(いちらく)の板碑群(徳島県名西郡石井町高川原字市楽363)

   市楽の石川神社境内にある板碑群で、合計17基(一群は16基)の板碑が県指定文化財に指定されている

市楽(いちらく)の板碑群 (県指定文化財、在銘は鎌倉中期~南北朝時代)

国東型板碑(右から九基目、額部の張り出した国東型 阿弥陀一尊種子板碑(右から十基目

板碑(右から八・九・十・十一基目

五輪塔形、額部の張り出した国東型など各種様式がみられる

  市楽(いちらく)阿弥陀一尊種子板碑(文保元年銘)

阿弥陀一尊種子板碑(県指定文化財、鎌倉時代後期 文保元年 1317年、緑泥片岩、高さ 112Cm 幅 31Cm

右から十一基目の板碑で、上方の蓮華座上に阿弥陀如来の種子「キリーク」を大きく刻み、下方に「文保元年(1317)十一月」の紀年銘がある

五輪塔形板碑(右から十二基目 六字名号板碑(右から十三基目

五輪塔形板碑は、各輪に四門の梵字、(東)発心門 「キャ・カ・ラ・バ・ア」を刻み、

六字名号板碑は、身部に輪郭を巻き「南無阿弥陀仏」の六字名号を蓮華座上に大きく刻んでいる

板碑 (右から十一・十二・十三・十四・十五・十六基目

阿弥陀三尊種子板碑 正面(右から十四基目 阿弥陀三尊種子板碑(右から十五基目

頭部山形、その下に二条線、身部に阿弥陀の種子「キリーク」、その下に観音菩薩の種子「サ」、勢至菩薩の種子「サク」が刻まれている

「石仏の旅 西日本編」(庚申懇話会 編)に、高さ 81Cmの三尊種子板碑に「為沙弥口口口修也」「貞治六年(1367)八月時正」の銘文がある記され

ている。貞治六年(1367)は、南北朝時代中期にあたる。高さから見れば、上の写真のどちらかに該当するのだが、肉眼では、どちらも刻銘は見当たらなかった。

(尚、小嶋 總一様よりメールを頂き、「石井町の板碑」(石井町教育委員会発行)に、十四基目の板碑に銘文があると記載されています。)

板碑 (左端、十六基目

頭部のみ残っている

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石 川 神 社 拝 殿

 板碑(いたび)

*JR徳島線、「石井駅」下車 東北東方向へ徒歩 約24分。

(撮影:平成22年5月30日)