禅昌寺(ぜんしょうじ)胎蔵界大日三尊種子板碑

 禅昌寺(ぜんしょうじ)(千葉県香取市大戸川119)

   下総型板碑中、屈指の大板碑。残念ながら紀年銘は不明。碑面中央に胎蔵界大日如来を主尊とする三尊の種子を刻む。

禅昌寺(ぜんしょうじ)胎蔵界大日三尊種子板碑(鎌倉時代後期、黒雲母片岩、地上高 約220Cm 下幅 95.5Cm)

門内左手に立つ。身部は、中央に胎蔵界大日(五点具足)を主尊とする三尊の種子、枠外上方に阿閦種子を刻む。銘文は磨滅し、不明。

板碑 上部

頭部山形、下に二条線、身部は二重線の輪郭を巻く。輪郭部上方中央に阿閦(あしゅく)如来の種子を刻む。

阿閦(あしゅく)如来の種子「ウーン」

輪郭部上方中央に阿閦如来の種子「ウーン」が、小さい月輪の中に刻まれている。

蓮座上月輪内に刻まれた「胎蔵界大日三尊」の種子 剥落が進み、脇侍の種子は、かろうじて読める程度になっている。

三尊は、上方に胎蔵界大日(五点具足)の種子「アーンク」、その下 向かって右に阿弥陀如来の種子「キリーク」、左に釈迦来の種子「バク」を蓮座上月輪内に刻む。

胎蔵界大日種子「アーンク」の左右に枠をつくり、各二行 梵字光明真言を刻んでいる。

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ、シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ、マ」 「ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ、ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

脇侍の種子

向かって右方に阿弥陀如来の種子「キリーク」左方に釈迦如来の種子「バク」蓮座上月輪内に薬研彫する。

梵字光明真言、主尊に向って左側二行 梵字光明真言、主尊に向って右側二行

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ、シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ、マ」 「ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ、ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

板碑下方

枠が線刻されているが、刻銘は不明。

 禅昌寺(ぜんしょうじ)阿弥陀種子板碑                        石仏と石塔-目次!

禅昌寺(ぜんしょうじ)(臨済宗 妙心寺派)

 板碑(いたび)

*JR成田線「大戸駅」下車、北西方向へ 約250m。

(撮影:平成25年3月12日)