山之辺路傍 阿弥陀三尊種子双式板碑

 山之辺(やまのべ)路傍 板碑(千葉県香取市山之辺)

   碑面に阿弥陀三尊種子を並列に刻んだ下総型板碑で、鎌倉時代後期 正中三年(1326)の紀年銘がある。

山之辺路傍 阿弥陀三尊種子双式板碑 (鎌倉時代後期 正中三年 1326年、黒雲母片岩、高さ 133Cm 幅 59Cm)

大戸神社の東 約550m 道路沿いに立つ。身部は、中央枠内に阿弥陀三尊種子を並列に、上方に大日如来真言、下方に銘文を刻む。

板碑 頭部

頭部山形、下に二条線、その下に大日如来真言「ア・バ・ラ・カ・キャ」を二度繰り返し刻む。身部は、一重線の輪郭を巻く。

二条線下方の大日如来真言

向って右から梵字で「ア・バ・ラ・カ・キャ」、「ア・バ・ラ・カ・キャ」と大日如来真言を二度刻んでいる。

枠内、向って左側の「阿弥陀三尊種子」 枠内、向って右側の「阿弥陀三尊種子」

三尊種子は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音の種子「サ」、左に勢至の種子「サク」を刻む。

主尊の阿弥陀種子は、瓔珞(ようらく)のついた天蓋、月輪、蓮台で荘厳し、脇侍の観音・勢至種子は蓮座のみで荘厳する。

三尊種子間中央、帯状の輪郭内に「正中三年(1326)丙刁(寅)二月七日」の紀年銘を刻む。

身部下方の刻銘

向って右から「右志者為大、中臣口信口、口口氏女口、[この間六行磨滅]、乃至法界故」十行に亘る刻銘がある。

刻銘の「大中臣氏」は香取神宮の神官と見られている。

山之辺(やまのべ)路傍 弥陀・大日種子板碑

 山之辺(やまのべ)路傍 板碑(千葉県香取市山之辺)

   碑面に阿弥陀種子を並列に、下方に胎蔵界大日種子を刻んだ下総型板碑で、正保四年(1647)の追刻 紀年銘がある。

山之辺(やまのべ)路傍 阿弥陀・大日種子板碑 (年紀不明、黒雲母片岩、高さ 66Cm 幅 81Cm)

板碑上方を欠損する。残存する身部は、阿弥陀種子「キリーク」を並列に、その下中央に胎蔵界大日種子「ア」を刻む。三尊とも天蓋・月輪・蓮座で荘厳する。

下方の胎蔵界大日種子の左右に江戸時代前期 「正保四年(1647)」の追刻がある。

追刻:「正保四年(1647)、丁亥、三月廿一日」 追刻:「為妙口禅安尼口」

山之辺(やまのべ)路傍 阿弥陀・大日種子板碑

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路傍に立つ二基の下総板碑

 板碑(いたび)

*JR成田線「大戸駅」下車、南東方向へ徒歩 約13分で大戸神社、大戸神社の南で、東方向へ左折、約550m直進すると道路沿い右側に立っている。

(撮影:平成25年3月12日)