不動院跡(ふどういんあと)阿弥陀種子双式板碑

 不動院跡(ふどういんあと)(千葉県香取市山之辺)

   碑面に阿弥陀種子を並列に刻んだ双式の下総板碑で、南北朝時代初期 暦応二年(1339)の紀年銘がある。

不動院跡 阿弥陀種子双式板碑 (南北朝時代初期 暦応二年 1339年、黒雲母片岩、高さ 73Cm 幅 48Cm)

小型板碑群、右端に立つ。身部は、阿弥陀種子「キリーク」を並列に刻み、各々天蓋(てんがい)と蓮座で荘厳する。下方に刻銘がある。

板碑 頭部

頭部は緩やかな山形、下に二条線、その下向って右から「ウーン(阿閦)・タラーク(宝生)・キリーク(阿弥陀)・口・

口・口・口・口」の種子を刻む。判明している種子は金剛界四仏で、「キリーク」の次は「アク(不空成就)」が刻まれていたと思われる。

身部中央、双式の阿弥陀種子

阿弥陀種子「キリーク」は、天蓋と蓮座で荘厳する。

身部下方

摩耗が進んでいるが、向って右から「・・・弥・・、右志者為・・・・、

南無阿弥・・、右志者為・・・・、暦応二年(1339)八月日」、「信心孝・・・」の刻銘がある。

 不動院跡(ふどういんあと)阿弥陀種子双式板碑(千葉県香取市山之辺)

不動院跡(ふどいんあと) 阿弥陀種子双式板碑 (紀年不明、黒雲母片岩、高さ 59.5Cm 幅 53.5Cm)

小型板碑群、向って左端。頭部山形、下に一条線。身部は一重の輪郭を巻き、阿弥陀種子「キリーク」を並列に刻み、

各々天蓋(てんがい)と蓮座で荘厳する。下方の刻銘は、不明。

 不動院跡(ふどういんあと)金剛界大日種子板碑 (千葉県香取市山之辺)

不動院跡(ふどいんあと) 金剛界大日種子板碑 (紀年不明、黒雲母片岩、高さ 61Cm 幅 44Cm)

小型板碑群、中央。頭部山形、下に二条線。身部の輪郭はなく、金剛界大日種子「バン」を刻む。

 香取家墓地(かとりけぼち)阿弥陀種子板碑                   石仏と石塔-目次!

不動院跡(ふどういんあと)全景

不動院跡は、現在 狭い墓地で、大形の下総板碑が二基、小型の下総板碑が三基安置されている。

 板碑(いたび)

*不動院跡は、JR成田線「大戸駅」下車、南東方向へ徒歩 約13分で大戸神社、大戸神社 南の三差路で東方向へ左折、約650m道なりに歩けば右側にある。隣が山之辺区公会堂。

(撮影:平成25年3月12日)