宝聚院(ほうじゅいん)(千葉県香取市大戸川166)
阿弥陀立像を二体、並列に線刻した下総型板碑で、室町時代中期 明応二年(1493)の紀年銘を刻む。
宝聚院(ほうじゅいん)阿弥陀並立図像板碑 (室町時代中期 明応二年 1493年、黒雲母片岩、高さ 82Cm 幅 52.5Cm)
境内参道、左手に立つ。身部は線刻で中央を二区分し、夫々の枠内に蓮座上に立つ来迎阿弥陀像を線刻する。 |
板碑 頭部
頂部は水平で、下に一条線、身部は一重線の輪郭を巻く。
身部中央、来迎阿弥陀像が並立する。 | 向って右側、阿弥陀立像(部分) |
来迎阿弥陀像は、それぞれ光明放射の頭光を負い蓮座上に立つ。像容は、やや稚拙な感じがする。
身部下方
左右に一対の花瓶(けびょう)、中央に「明應二年(1493)、二月十口口、口口敬白」の刻銘がある。
刻銘:「明應二年(1493)」 | 花瓶(けびょう)、瓶内に三茎蓮花。 |
宝聚院(ほうじゅいん)(千葉県香取市大戸川166)
碑面に阿弥陀三尊種子を刻んでいる。 「光明真言」を百万遍唱えたのを記念して建てられた造立趣旨と寛政十二年(1800)の紀年銘は、追刻と思われる。
宝聚院 阿弥陀一尊種子板碑 (江戸時代後期 寛政十二年 1800年、黒雲母片岩、高さ 111Cm 幅 59.5Cm)
門内、参道横に立つ。頭部山形、下に二条線、身部は天蓋の下 阿弥陀種子「キリーク」を蓮座上に、左右に紀年銘と造立趣旨を刻む。
刻銘:「寛政十二(1800)、庚申、八月日」 | 向って右側に「光明真言百萬遍成就攸」の刻銘。 |
阿弥陀三尊種子は、上方に阿弥陀の種子「キリーク」を蓮座上に、向って右下 に観音の種子「サ」、左に勢至の種子「サク」を蓮座上に刻む。
刻銘は、向って右に「光明真言百萬遍成就攸」、左に「寛政十二(1800)、庚申、八月日 講中」と刻む。
下総板碑の流れを見れば、ほぼ江戸時代初期で消滅しており、紀年銘と造立趣旨は追刻と思われる。
宝聚院(ほうじゅいん)阿弥陀種子断碑
門内右手の断碑。二基とも頭部山形で、下に二条線、身部は天蓋の下 阿弥陀如来の種子「キリーク」を刻んでいる。
宝聚院 阿弥陀種子 断碑 [ 年紀不明、黒雲母片岩、高さ 66Cm(向って左)、62Cm(右) ]
三基並んで立つ下総型板碑
向って右は宝篋印塔を刻んだ板碑で、左は金剛界大日一尊種子板碑。
*JR成田線「大戸駅」下車、北西方向へ 約400m。
(撮影:平成25年3月12日)