大龍寺(だいりゅうじ)(千葉県香取市与倉1012)
碑面中央に阿弥陀三尊種子を刻んだ大龍寺最大の板碑で、室町時代後期 天文二十一年(1552)の紀年銘がある。
大龍寺(だいりゅうじ)阿弥陀三尊種子板碑 (室町時代後期 天文二十一年 1552年、黒雲母片岩、高さ 164Cm 幅 97Cm)
大龍寺板碑群中、最大の板碑。身部は、中央最上部 天蓋の下、阿弥陀三尊の種子、左右に造立趣旨と紀年銘を刻む。 |
刻銘は、向って右に「奉造為桃渓因公禅定門菩提也」、左に「旹 天文廿一(1552)己子、口五月四日」の刻銘がある。
現地説明板によれば、桃渓因公は矢作城主 国分家十一代胤相公と考えられている。
板碑 頭部
頂部水平、最上部に天蓋(てんがい)を刻む。
身部中央、阿弥陀三尊種子
阿弥陀三尊種子は、中央に大きく阿弥陀種子「キリーク」、向って右下 に観音種子「サ」、左に勢至種子「サク」を刻む。
中尊の阿弥陀種子は蓮台上月輪内に、脇侍の二尊は月輪なしに蓮座上に小さく刻まれている。
身部下方
阿弥陀種子の下、蓮台の形が面白い。
大龍寺(だいりゅうじ)阿弥陀三尊種子板碑 (千葉県香取市与倉1012)
大龍寺(だいりゅうじ)阿弥陀三尊種子板碑 (年紀不明、黒雲母片岩)
身部は駒形(五角形)の輪郭を巻き、中央最上部に天蓋、その下蓮座上月輪内に阿弥陀三尊の種子を刻む。
大龍寺(だいりゅうじ)阿弥陀・観音種子板碑 (千葉県香取市与倉1012)
大龍寺(だいりゅうじ)阿弥陀・観音種子板碑 (室町時代後期 天文年間 1532~55年、黒雲母片岩)
板碑は、頭部を欠損する。身部は、共通の天蓋の下、蓮座上月輪内に阿弥陀種子「キリーク」が二つ、観音種子「サ」を三つ刻む。
夫々種子の下、供養者名と紀年銘が刻まれている。
大龍寺(だいりゅうじ)板碑群 (千葉県香取市与倉1012)
大龍寺(だいりゅうじ)板碑群
大龍寺(だいりゅうじ)板碑群 正面
*JR成田線「佐原駅」下車、南西方向へ約4.5Km。JR佐原駅前にレンタサイクルがあるので、便利に利用できる。
(撮影:平成25年3月12日)