大龍寺(だいりゅうじ)観音種子板碑

 大龍寺(だいりゅうじ)(千葉県香取市与倉1012)

   碑面中央に観音種子「サ」を刻んだ「百ケ日追善供養」の板碑で、室町時代中期 文明三年(1471)の造立。

大龍寺(だいりゅうじ)観音種子板碑 (室町時代中期 文明三年 1471年、黒雲母片岩、高さ 51Cm 幅 40Cm)

身部は、中央の月輪内に観音種子「サ」を蓮座ごと、左右に造立趣旨と紀年銘を刻む。

向って右に「奉造立石佛一躰、為道金禅定門百ケ日也」、左に「文明三(1471)辛卯、十月廿六日」の刻銘がある。

道金禅定門、百ケ日の追善供養に本板碑(「石仏」と表現)を造立。尚、主尊 観音菩薩(サ)は、百か日の追善供養にわりあてられた仏・菩薩。

身部 中央

蓮座上に刻まれた観音菩薩の種子「サ」を蓮座ごと月輪内に納め、月輪の上方に半円を刻む。

刻銘:「文明三(1471)辛卯、十月廿六日」 刻銘:「奉造立石佛一躰、為道金禅定門百ケ日也」

在俗出家者(男性)「道金(法名)」の「百ケ日追善供養」として、文明三年(1471)十月二十六日に本板碑を造立した。

大龍寺(だいりゅうじ)阿弥陀・金剛界大日種子板碑

 大龍寺(だいりゅうじ)(千葉県香取市与倉1012)

   碑面中央に阿弥陀種子と金剛界大日種子を並列に刻んだ板碑で、室町時代中期 康正三年(1457)の紀年銘がある。

大龍寺(だいりゅうじ)阿弥陀・金剛界大日種子板碑 (室町時代中期 康正三年 1457年、黒雲母片岩)

身部は、中央に阿弥陀種子「キリーク」と金剛界大日種子「バン」を並列に刻み、共用の天蓋と各々の蓮座で荘厳する。

中央に「康正三年(1457)丁丑、十月」の紀年銘があり、左右にも刻銘があるが不明。

板碑 頭部

最上部に二尊共用の天蓋(てんがい)を刻む。

板碑 中央

向って右は阿弥陀如来の種子「キリーク」、左は金剛界大日如来の種子「バン」

中央に「康正三年(1457)丁丑、十月」の紀年銘がある。

大龍寺(だいりゅうじ)地蔵図像板碑

 大龍寺(だいりゅうじ)(千葉県香取市与倉1012)

   幼い童(わらべ)の追善供養として江戸時代前期 寛永十五年(1638)に造立された。碑面には、地蔵菩薩と童子が刻まれている。

大龍寺(だいりゅうじ)地蔵図像板碑 (江戸時代前期 寛永十五年 1638年、黒雲母片岩、高さ 68Cm 幅 54Cm)

身部は、駒形(五角形)の輪郭を巻き、最上部の天蓋の下、左右に日・月、中央に蓮座上の地蔵菩薩を大きく、向って右に花を捧げる童子像を小さく刻む。

刻銘は、向って右端に「奉造立地蔵一尊為花林童子、菩提也」、左端に「寛永拾五年(1638)戊寅、八月廿九日」と刻む。

地蔵像は、右手に錫杖、左手に宝珠を持つ通常型。花を捧げる童子像は可憐。「下総板碑」(清水長明著、庚申懇話会刊)には、はっきりとした拓本で紹介されている。

蓮座上の地蔵立像(右手に錫杖、左手に宝珠を持つ) 「奉造立地蔵一尊為花林童子、菩提也」の刻銘童子像

「花林童子」の追善供養として、地蔵菩薩を刻んだ本板碑が造立されている。

 大龍寺(だいりゅうじ)阿弥陀三尊種子板碑                        石仏と石塔-目次!

大龍寺(だいりゅうじ)本堂

本尊は、千手観音像。

 板碑(いたび)

*JR成田線「佐原駅」下車、南西方向へ約4.5Km。JR佐原駅前にレンタサイクルがあるので、便利に利用できる。

(撮影:平成25年3月12日)