平田寺(へいでんじ)石造宝塔(写真はレプリカ)

 平田寺(へいでんじ)(静岡県牧之原市大江459)

  塔身が平面四角で、相輪の形状なども含め地方色豊かな宝塔。鎌倉時代後期 延慶三年(1310)の紀年銘がある。

平田寺石造宝塔(県指定文化財、鎌倉時代後期 延慶三年 1310年、安山岩、高さ 197.5Cm)(レプリカは、花崗岩)

現在、宝蔵に納められている。事前の申し込みで拝観可能だが、写真は不可。当初所在した墓地にレプリカが立っている。

実物は黒みがかった安山岩で造られ格調が高く、基礎の刻銘もはっきりと読み取れる。墓地に立つレプリカは、花崗岩で造られておりやや違和感がある。

軒は力強く反る。頂部に別石で、側面格狭間の露盤を置く。軒下に垂木型はない。

塔 身

平面四角で首部を作らず、側面は四面とも二区で各々舟形を彫り込む。

故 川勝政太郎氏博士は「石造美術の旅」(朝日新聞社)で、舟形の中に別に作った仏像(多宝・釈迦)を安置したものであると述べている。

相輪は、伏鉢と上部の請花がなく、九輪も五輪で珍しい。 平田寺石造宝塔 (平田寺のパンフレット)

基 礎

基礎は輪郭を線刻し、内に格狭間をつくる。格狭間の形は、パンフレット写真の様に上部の弧線が逆向きになっている。

正面の格狭間内に「延慶三年(1310)庚戌、正月日」、「願主沙弥如蓮」と刻む。

刻銘:願主 沙弥如蓮」 刻銘:「延慶三年(1310)、庚戌、正月日

混合式石塔

五輪塔と宝篋印塔を混合した形式。同様の石塔が、清浄寺(牧之原市道場)にある。

宝 蔵

石造宝塔が納められている。

宝塔は、事前に申し込みをすると拝観可能だが、写真は不可。

平田寺 本堂(市指定文化財、江戸時代中期 天明六年 1788年、入母屋造、銅瓦葺)

相良藩主 田沼意次の支援により再建された。

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平田寺(へいでんじ)(臨済宗 妙心寺派)

鎌倉時代中期 弘安六年(1283)の開創で、遠州では最も古い禅寺という。当寺院には、国宝の聖武天皇勅書がある。

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*JR東海道本線線 藤枝駅前から、しずてつジャストラインバス「相良営業所」行きに乗車、「新橋バス停」下車 、北方向へ徒歩 約7分。

(撮影:平成25年12月16日)