涌泉(ゆうせん)寺九重石塔

 涌泉寺(ゆうせんじ)(滋賀県東近江市鋳物師町1425)

 聖武天皇の創建といわれる古寺。元禄五年(1692)、禅僧 台嶺が再興した。

涌泉寺石造九重塔(重要文化財、鎌倉時代後期 永仁三年 1295年、花崗岩、高さ 445Cm)

初層、塔身の顕教四方仏(阿弥陀如来:正面)
石造九重塔は、基礎がなくなり自然石を代用する 初層、塔身の顕教四方仏(弥勒)

刻銘文に「興隆寺」とあり、涌泉寺の西方に「塔ノ堂」の小字名が残るなど、移建されたと考えられるものがある

塔は、近江地方独特で、全体が細長く、塔身も背が高く、屋根が厚い

初層、塔身の顕教四方仏(薬師如来:背面)
初層、塔身の顕教四方仏(釈迦如来) 初層塔身に「永仁三年(1295)」の刻銘がある

塔身、薬師如来の左右に「興隆寺氏人等、一切衆生、永仁三季乙未□月七日」の刻銘がある

境内に咲くあじさい

五輪塔の風・空輪、宝篋印塔の笠の部分
門前に宝塔と宝篋印塔、五輪塔を寄せ集めた石塔があった 宝塔の塔身

涌泉寺本堂

境内は、よく掃き清められ清潔感にあふれている

 引接寺(いんじょうじ)宝篋印塔                  石仏と石塔-目次!

涌泉寺 遠景(九重石塔が、遠方よりよく目立ち存在感がある)

層塔紀年順  高貴寺(こうきじ)十三重石塔(鎌倉時代後期)  石造層塔-紀年順-目次

*近江鉄道「朝日野駅」下車、徒歩15分

(撮影:平成19年7月7日、平成20年10月27日)