法願寺 明徳四年銘 阿弥陀種子板碑

 法願寺跡(高木地蔵堂)(埼玉県さいたま市西区大字高木446)

   阿弥陀種子を主尊とし、観無量寿経に出る「光明遍照 偈」を刻んだ板碑で、室町時代初期 明徳四年(1393)の紀年銘がある

法願寺 阿弥陀種子板碑(市指定文化財、室町時代初期 明徳四年 1393年、緑泥片岩、高さ 71Cm 下幅 27Cm)

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身部は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、下方に観無量寿経に出る光明遍照 偈(げ)と紀年銘を刻む。

板碑 頭部

頭部 山形、下に二段の切込、身部は一重線の輪郭を巻く。

身部下方の刻銘

中央に明徳二二(四)(1393)八月十七日、道禅」、左右に各一行「観無量寿経に出る偈(げ)を刻む。

偈(げ):「光明遍照(こうみょうへんじょう)、十方世界(じっぽうせかい)」「念仏衆生(ねんぶつしゅじょう)、摂取不捨(せっしゅふしゃ)

[ 光明はあまねく十方世界を照らし、念仏の衆生をば摂取して捨てたまわず。]

法願寺 正和三年銘 阿弥陀種子板碑

 法願寺跡(高木地蔵堂)(埼玉県さいたま市西区大字高木446)

   阿弥陀種子を主尊とする板碑で、鎌倉時代後期 正和三年(1314)の紀年銘がある。

法願寺 阿弥陀種子板碑(市指定文化財、鎌倉時代後期 正和三年 1314年、緑泥片岩、高さ 75Cm 下幅 29Cm)

頭部山形、下に二段の切込、身部の輪郭はなく、上方に阿弥陀の種子「キリーク」、下方に「正和三年(1314)甲刁(寅)十二月八日」の紀年銘を刻む。

蓮座上に美しく薬研彫された阿弥陀如来の種子「キリーク」 刻銘:「正和三年(1314)甲刁(寅)十二月八日」

法願寺 建武四年銘 阿弥陀三尊種子板碑

 法願寺跡(高木地蔵堂)(埼玉県さいたま市西区大字高木446)

   阿弥陀三尊種子を主尊とする板碑で、南北朝時代初期 建武四年(1337)の紀年銘がある。

法願寺 阿弥陀三尊種子板碑(市指定文化財、南北朝時代初期 建武四年 1337年、緑泥片岩、高さ 80Cm 下幅 29Cm)
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頭部山形、下に二段の切込、身部は一重線の輪郭を巻き、上方に阿弥陀三尊種子、下方に光明真言と紀年銘を刻む。

阿弥陀三尊種子は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を刻む。

三尊とも月輪なしに、蓮座上に刻まれている。

身部下方の刻銘

中央に「建武二二(四)(1337)、丁丑、八月日」、左右に各二行「光明真言を梵字で刻む。

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」「シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ」 「マ、ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ」「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

 法願寺(ほうがんじ)板碑群                          石仏と石塔-目次!

法願寺(ほうがんじ)板碑群 (市指定文化財)

最大高の阿弥陀三尊板碑に向って右側に立つ板碑群。向って右から明徳四年(1393)、正和三年(1314)、建武四年(1337)銘の三基。

 板碑(いたび)

*JR川越線「西大宮駅」下車、北西方向へ徒歩 約14分。

(撮影:平成25年3月8日)