法願寺(ほうがんじ)釈迦三尊種子板碑

 法願寺跡(高木地蔵堂)(埼玉県さいたま市西区大字高木446)

   釈迦三尊の主尊 釈迦種子の月輪に十仏を刻み十三仏とする板碑で、室町時代中期 文明十四年(1482)の紀年銘がある。

法願寺釈迦三尊種子板碑(中央)(市指定文化財、室町時代中期 文明十四年 1482年、緑泥片岩、高さ 60Cm 下幅 26Cm)

身部上方は、釈迦三尊の種子、主尊 釈迦種子の月輪に十仏を種子で刻み十三仏とする。身部下方は、供養者名と紀年銘を刻む。

板碑 頭部

頭部 山形、下の二条線は薄く、側面に二段の切込がある。身部の輪郭はない。

身部上方、釈迦三尊の種子 身部下方の刻銘

釈迦三尊種子は、上方に釈迦如来の種子「バク」、向って右下 に文殊菩薩の種子「マン」、左に普賢菩薩の種子「アン」を刻む。

主尊 釈迦種子の月輪は、種子で十仏を刻み、脇侍は通常の月輪、蓮華座は主尊のみで脇侍はない。

身部下方は、中央に「性本上座 逆修」、左右に「文明十二二(四)(1482)、壬刁(寅)二月吉日」、下方左右に「花瓶一対」を刻む。

釈迦 種子

月輪に十仏の種子を刻み、三尊と合わせて十三仏とする。

刻銘:「文明十二二(四)(1482)、壬刁(寅)、二月吉日」 生前に、自分の為に死後の法要を営む「逆修供養」として造立された。

法願寺(ほうがんじ)阿弥陀種子板碑

 法願寺跡(高木地蔵堂)(埼玉県さいたま市西区大字高木446)

   阿弥陀種子を主尊とし、観無量寿経に出る「光明遍照 偈」を刻んだ板碑で、南北朝時代後期 康暦三年(1381)の紀年銘がある。

法願寺 阿弥陀一尊種子板碑(市指定文化財、南北朝時代後期 康暦三年 1381年、緑泥片岩、高さ 51Cm 下幅 20Cm)

頭部山形、下に二条線、身部の輪郭はなく、上方に阿弥陀の種子「キリーク」、下方中央に「康暦三年(1381)七月十六日」、左右に各二行 観無量寿経に出る偈を刻む。

観無量寿経に出る偈 (左右、各二行)

偈(げ):「光明遍照(こうみょうへんじょう)、十方世界(じっぽうせかい)、念仏衆生(ねんぶつしゅじょう)、摂取不捨(せっしゅふしゃ)

[ 光明はあまねく十方世界を照らし、念仏の衆生をば摂取して捨てたまわず。]

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法願寺(ほうがんじ)板碑群(市指定文化財)(一部)

最大高の阿弥陀三尊板碑に向って、左側に立つ板碑四基。

 板碑(いたび)

*JR川越線「西大宮駅」下車、北西方向へ徒歩 約14分。

(撮影:平成25年3月8日)