上田朝直(うえだともなお)建立 題目板碑

 上田朝直(うえだともなお)建立 題目板碑(埼玉県東松山市神明町1-12)

   松山城主 上田朝直が建立した板碑で、銘文に元亀二年(1571) 生年七十八 とあり、上田朝直の生年がこの銘文から逆算され、明らかになっている。

上田朝直建立 題目板碑(県指定文化財、室町時代末期 元亀二年 1571年、緑泥片岩、高さ 216Cm 下幅 62Cm)

上田朝直が造立した板碑で、身部は中央に「題目」下に「真読一千部善願成就之銘文」刻み法華経一千部を唱えた記念に建立されている。

板碑 頭部

頭部は山形、下に二段の切込、身部は一重の輪郭を巻く。輪郭内最上部の左右に日・月を刻む。

板碑の銘文は、彫りが浅く、摩耗が進んでいる為、判読不明。 現地説明文、板碑の拓本写真と銘文の全文が掲載されている。

身部は、中央にひげ文字で「南無妙法蓮華経」の題目、その下に「真読一千部善願成就之銘文」と刻み、上方左右に「法華経化城喩品に出る偈」

下方左右に「施主上田能登守源朝臣朝直入道案独斎桑門宗調、生年、七八」、「干時元亀二年(1571)大歳 八月時正中日起立之」と刻む。

身部、上方の刻銘 拓本写真、身部上方(現地説明板、部分)

身部上方の刻銘は、中央にひげ文字で「南無妙法蓮華経」の題目、左右に「法華経化城喩品に出る偈(げ)」を刻んでいる。

偈(げ):「願以此功徳(がんにしくどく) 普及於一切(ふぎゅうおいっさい) 我等与衆生(がとうよしゅじょう) 皆共成仏道(かいぐじょうぶつどう

[ 願わくばこの功徳をもって、あまねく一切に及ぼし、我等と衆生と、皆共に仏道を成ぜん ]

板碑、下部

身部下方の刻銘は、中央に「真読一千部善願成就之銘文」、向かって右に「施主上田能登守源朝臣朝直入道

案独斎桑門宗調、生年、七八」、向かって左に、「干時元亀二年(1571)大歳 八月時正中日起立之」と刻む。

身部下方の拓本写真(現地説明板、部分) 身部上方、題目

上田朝直は、熱心な法華経の信者で、領民にも日蓮宗を奨励した。その結果、板碑の消滅期にあたるこの時期に東秩父村にある菩提寺 浄蓮寺

や同村 大霊神社に上田氏関係の題目板碑が多数残っている。また、浄蓮寺には表面に七本の五輪卒塔婆を刻む珍しい七基連刻板碑がある。

板碑 収容堂

清正公堂に向って右手横にある。内に板碑が収容されている。

 妙昌寺(みょうしょうじ)日蓮供養題目板碑                      石仏と石塔-目次!

清正公堂 (せいしょうこうどう)

 板碑(いたび)

*東武東上線 「東松山駅」下車、東口より東方向へ徒歩 約6分。清正公堂というお堂の横、この板碑専用の小堂が建てられ、内に納められている。

(撮影:平成24年11月11日)