本立寺(ほんりゅうじ)題目板碑(埼玉県羽生市南5-3924)
日蓮宗 本立寺跡に立つ板碑で、身部に大きく「妙法蓮華経」と刻まれている。鎌倉時代末期 元徳三年(1331)の在銘。
本立寺 題目板碑 (市指定文化財、鎌倉時代末期 元徳三年 1331年、緑泥片岩、高さ 167Cm 下幅 47Cm)
身部は輪郭を巻き、内に大きく「妙法蓮華経」、下方中央に「元徳三年(1331)」の紀年銘、左右に各三行 計六行の銘文を刻む。 |
板碑 頭部
頭部山形、下に二段の切込、身部は一重線の輪郭を巻く。
身部上方の刻銘:「妙法蓮華経」 | 身部下方の刻銘 |
身部、下方の刻銘
中央に、「元徳三年(1331)、辛未、二月 日、比丘尼」、
向かって右側に、「奉造立来迎寺 嘉暦二年(1327)二月廿日」、「奉造立千手堂 嘉暦三年(1328)二月八日」、「為奉訪当地頭沙弥員口菩提」
向かって左側に、「為奉訪故道日坊後世菩提」、「為奉訪沙弥道照坊依此功徳」、「直至成仏法界平等利益也」の刻銘がある。
身部下方の刻銘、中央に、「元徳三年(1331)、辛未、二月 日」 | 現地説明板(部分)、刻銘解説 |
向かって左側の「道日坊」、「道照坊」の名前は、羽生市内 千手院前、本川俣墓地の板碑(嘉暦四年 1329年銘)に刻まれている。
本川俣墓地 阿字一尊種子板碑 (鎌倉時代後期 嘉暦四年 1329年、緑泥片岩、高さ 161Cm)
板碑下方に「道日房」「道照房」の名前が刻まれている。
題目板碑は、東京都 池上本門寺 正応三年(1290)銘を最古とし、戸田市 妙顕寺の慶長三年(1598)銘を下限として造立された。 |
題目板碑は、日蓮宗寺院を主体に造立され、主に南北朝時代以降に多く造られている。本板碑の元徳三年(1331)銘は、題目板碑としては古いものに属する。
本立寺跡 (ほんりゅうじあと)
南面する道路に面して「日蓮宗之遺蹟、日室院長雄山 本立寺、入口」と彫られた石碑が立っている。
板碑は、奥の平屋家屋の軒先に立つ。尚、本立寺跡の西隣は三徳稲荷神社で、その地蔵堂には正安二年(1300)銘板碑がある。
*東武伊勢崎線 「羽生駅」下車 、東方向へ 約700m。
(撮影:平成24年11月13日)