水間寺(みずまでら)千日隔夜宝篋印塔

 水間寺(みずまでら)(大阪府貝塚市水間638)

  「水間参り」で知られる厄除けの観音(聖観音菩薩)を本尊とする天台宗の古刹。聖武天皇の勅願により僧 行基が開いた。

水間寺(みずまでら)千日隔夜宝篋印塔(江戸時代中期 享保十二年 1727年、砂岩)

塔身正面、月輪を彫り沈め金剛界四仏の種子を刻む(ウーン:阿閦如来)
宝篋印塔は、本堂と三重塔の中間、東側手前に立っている 塔身北面、月輪を彫り沈め金剛界四仏の種子を刻む(タラーク:宝生)

基礎 北面

前かがみになり、念仏をとなえながら歩いたという隔夜僧(かくやそう)を浮彫にする

隔夜信仰は、奈良の春日大社と長谷寺への千日参詣で、春日に一夜、長谷に一夜、夜を隔てて泊り、念仏が広く広まるよう祈った。時代とともに近在でも行われた

塔身背面、月輪を彫り沈め金剛界四仏の種子を刻む(キリーク:阿弥陀)
塔身南面、月輪を彫り沈め金剛界四仏の種子を刻む(アク:不空成就) 塔身は小さく、笠の隅飾は大きく外に開き、この時代の特色を表す

現在、塔身のウーン(阿閦如来)が西側で、キリーク(阿弥陀如来)が東側になり、本来と反対方向になっている

基礎 南面

「鳥取八幡宮、一千日隔夜供養、當寺観世音」の刻銘が入り、鳥取八幡宮と水間寺の間で隔夜千日参詣が行われた

基礎 東面 基礎 西面、享保十二丁未(1727)九月十日の紀年銘が入る

基礎上端は単弁の反花、側面は北面が隔夜僧を浮彫にし、他の三面は刻銘を刻んでいる

基礎と基壇の間に、台座が設けられる

台座は単弁の反花座上に、単弁の蓮弁を刻んだ請座を設ける。台座の側面に菊花の浮彫がみえる

水間寺三重塔(市指定文化財、江戸時代後期 天保五年 1834年再建、本瓦葺、高さ 20m)

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水間寺本堂(市文、江戸時代 文化八年 1811年再建、入母屋造、本瓦葺)

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*水間鉄道 水間線 「水間観音駅」下車、南方向へ 徒歩 約8分。

(撮影:平成22年2月17日)