西淋寺(さいりんじ)五輪塔 五基

 西淋寺(さいりんじ)(大阪府羽曳野市古市2-3-2)

  五輪塔は、高屋(たかや)丘にあった西淋寺奥院 宝生院(ほうしょういん)址から発見され西淋寺境内に移転された

西淋寺五輪塔(府指定文化財、鎌倉時代後期、花崗岩、中央塔高さ 293Cm)

風・空輪(頂部、宝珠の形)部
中央の五輪塔(府文、鎌倉後期、花崗岩、高さ 293Cm) 火輪、軒反(のきぞり)が強い

五基の五輪塔は、永仁三年(1295)に造営された奈良西大寺の僧 叡尊(えいそん)・惣持・超蓮尼浄意・空忍ら五名の墳墓と推定されている

叡尊は正応三年(1290)に没し、西大寺奥院に廟所があることから、他の説もある

水輪は、ほぼ球形で、やや下にすぼまっている
地輪は、四面とも無地で刻銘はない 中央塔は、叡尊(えいそん)の墓と推定されている

中央塔 地輪の前に、花入れとして置かれている骨容器(府文、花崗岩製)

向かって左側手前の五輪塔(府文、鎌倉後期、花崗岩) 向かって右側手前の五輪塔(府文、鎌倉後期、花崗岩)

西淋寺は、飛鳥時代(7世紀前半)に創建された河内有数の寺院で、東に塔、西に金堂を配する法起寺(ほっきじ)式伽藍であったと推定されている

向かって左側奥の五輪塔(花崗岩) 向かって右側奥の五輪塔(府文、鎌倉後期、花崗岩)

左側奥の五輪塔は、他の五輪塔より小さいが、繰形(くりがた)は同じ大きさで、繰形と地輪の間に大和形式の複弁反花座を入れている

西淋寺 塔 心礎(幅 3.2×奥行き 2.3×高さ 1.5m)

巨大な塔心礎は、舎利孔と添柱穴が掘られている

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西淋寺(さいりんじ)

寺伝では、欽明天皇の勅願寺で、百済から渡来した王仁(わに)氏の子孫である西文(かわちのふみ)氏が開基とされる

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*近鉄大阪線 「古市駅」下車 東方向へ徒歩5分。

(撮影:平成20年10月16日)