満月寺(まんげつじ)五重石塔

 満月寺(まんげつじ)(大分県臼杵市深田963)

  満月寺五重石塔(市指定文化財、鎌倉時代後期 正和四年 1315年、凝灰岩、塔身までの高さ90Cm)

塔身、蓮華座上に月輪を彫り、内に金剛界四仏の種子を刻む(タラーク:宝生)
五重石塔は、臼杵石仏群の東側、満月寺の境内に立っている 塔身の枠は檀上積式で、内に金剛界四仏の種子を刻む(キリーク:阿弥陀)

屋根は補修の痕が見られる。軒反は鎌倉時代後期の様式

刻銘:「合力作者 阿闍梨円秀」 刻銘:「正和四年乙卯夘月五月願主阿闍梨隆尊敬白」

塔身、タラーク(宝生如来)両側の刻銘

基礎側面は二面のみ、檀上積式で内に薄い格狭間を入れる(他の二面は素面)

刻銘:「滅罪証覚利益衆生所奉造立供養如件」 刻銘:「右為先師聖霊尊善及隆尊之先考先妣」

塔身、ウーン(阿閦如来)両側の刻銘

塔の銘文から闍梨隆尊が先師尊全及び自分の亡き父母ために造立した。作者は日秀という阿闍梨

相輪は、宝珠に火焔が付くなど国東式相輪で、昭和46~47年の発掘調査の際、新たに取り付けられた

    臼杵の石塔と石仏                                      石仏と石塔!

満月寺境内には明治初年まで二基の石造層塔があった。一基は、洪水により河岸が崩壊した時、

石塔を壊して河岸の修理をした。昭和の発掘調査の時、その残欠を使用し、現在の石造五重塔を修理した

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*JR国東駅前から臼津交通バス 三重行きに乗車、「臼杵石仏バス停」下車、徒歩 約5分

(撮影:平成20年11月21日)