龍門寺跡(りゅうもんじあと) 下乗笠塔婆(奈良県吉野郡吉野町山口)
奈良時代に義渕(ぎえん)僧正によって開かれた龍門寺の遺物
龍門寺跡 下乗笠塔婆(鎌倉時代末期 元弘三年 1333年、花崗岩、高さ 204Cm)
塔身上部正(西)面、月輪内に金剛界四方仏の種子を刻む(キリーク:阿弥陀) | ||
通りに面した西面は、塔身に下乗の文字を刻む | 塔身上部南面、金剛界四仏の種子を薬研彫りする(タラーク:宝生如来) |
笠は、平面が方形で、頂上に露盤を刻出し宝珠(別物)を載せる
塔身上部東面、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(ウーン:阿シュク) | ||
塔身上部北面、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(アク:不空成就) | 笠の軒反(のきぞり)は、鎌倉時代後期の様式を示している |
龍門寺は龍門岳(904m)の麓に奈良時代の名僧 義渕(ぎえん)が創建し、奈良・平安時代に栄えた名刹。笠塔婆は、その遺品
塔身南面、四方仏の下に「龍門寺」と刻む | 塔身北面、「元弘三年(1333) 癸酉 卯月八日」の刻銘 |
下乗笠塔婆は、山口神社北 1Kmの山道に面し、少し高い所にある。また、保護のため鉄柵で囲まれている
山口の仏性院跡にある下馬板碑
元弘三年(1333)の銘があるが書体から見て江戸時代の偽作
*近鉄吉野線「大和上市駅」から吉野町福祉バスに乗車「山口バス停」下車、徒歩 北へ約1Km
(撮影:平成20年1月4日)