大蔵寺(おおくらでら)十三重石塔

 大蔵寺(おおくらでら)(奈良県宇陀市大宇陀区栗野906)

 聖徳太子により開かれ、役小角もこの地を修行の道場としたと伝えられる真言宗豊山派の寺院

大蔵寺十三重石塔(県指定文化財、鎌倉時代中期 延応二年 1240年、花崗岩、高さ 417Cm)

塔身、月輪内蓮華座上に金剛界四仏の種子を刻む(ウーン:阿閦)
宋人石工、伊行末(いのゆきすえ)の作になる十三重石塔 塔身、月輪内蓮華座上に金剛界四仏の種子を刻む(タラーク:宝生如来)

基礎は低く古調、正面の基礎には十四行にわたって下記の刻銘がある

「南無釈迦牟尼仏」「南無当来導師弥勒仏」・・・・(7行不明)「道俗三千余人」「延応弐年(1240)庚子二」「月四日造口了」「大工」「大唐口州伊行末

塔身、月輪内蓮華座上に金剛界四仏の種子を刻む(キリーク:阿弥陀)
塔身、月輪内蓮華座上に金剛界四仏の種子を刻む(アク:不空成就) 本来は十三重石塔だが現在は十重しか残っていない

相輪は九輪の六輪までを残し上部を欠失する

この相輪は構造的に特殊で、伏鉢を最上重屋根の露盤上に造り出し、相輪は請花以上を一石で造り、最下部に枘(ほぞ)を設け、伏鉢の枘穴に差込んでいる

六字名号板碑(室町時代後期、月輪内に阿弥陀像、高さ 120Cm) 六字名号板碑(室町時代後期、頂部に阿弥陀の種子:キリーク)

二基の板碑は参道の途中にある。両方とも高さ 約120Cm。向かって右の板碑には弘治三年(1557)の銘がある

五輪塔残欠(火輪部)

本堂への石段下にある。手水として使用されている

不動石仏(江戸時代中期 享保十三年、安山岩、高さ 68Cm) たびたび倒れてかなり破損している(写真:石塔後部)

御影堂(重要文化財、鎌倉時代、宝形造、こけら葺)

弁事堂(岡倉天心の寄贈)

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大蔵寺本堂(重要文化財、鎌倉時代、寄棟造、こけら葺)

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*近鉄大阪線「榛原(はいばら)駅」から奈良交通バス 大宇陀行き 終点「大宇陀駅バス停」下車、コミュニティバスに乗り換え「大蔵寺バス停」下車 徒歩 20分

(撮影:平成19年12月29日)