来迎寺(らいこうじ)(奈良県山奈良市来迎寺町126)
来迎寺は、寺伝によると僧 行基により開創された。この地の豪族 多田満仲の一族や東山内衆の菩提寺として栄えた
来迎寺五輪塔(最大塔)
来迎寺(らいこうじ)五輪塔群の最大塔(鎌倉時代後期、花崗岩、高さ 240Cm)
空・風輪、一石でつくり 空輪は宝珠の形 | ||
本堂の裏、五輪塔群の向かって左端に立っている | 火輪、軒口は厚く、軒反は鎌倉時代後期風 |
五輪塔群は、鎌倉後期~南北朝のものが約20基あり、そのなかでも一番大きい五輪塔
水輪、少し横長の楕円形 | 地輪、四面とも素面で刻銘は入っていない |
五輪塔は、切石の基壇上に立つ
来迎寺五輪塔(貞治四年塔)
来迎寺 五輪塔(南北朝時代 貞治四年 1365年、花崗岩、高さ 198Cm)
風・空輪、他の輪に比較して大きい | ||
当初の場所から移設された為、すべてが一具のもとはかぎらない | 火輪、軒口は厚く軒反は先端で反る |
地輪、正面に刻銘がある
刻銘は、「貞治四秊、乙巳四月六日、英実聖霊」、とあり死没者の法名・没年月日を記している
水輪、下にすぼまった形 | 五輪塔は、大和形式の複弁反花座の上に立つ |
来迎寺五輪塔(貞治四年塔)
火輪、軒口は厚く軒反は先端で反る | ||
五輪塔(南北朝時代 貞治四年 1365年、花崗岩、高さ 186Cm) | 水輪、下にすぼまった形 |
五輪塔は、大和様式の複弁反花座上に立っている
地輪、正面に刻銘がある
刻銘は、「貞治四口月、尼善妙、二十八日」、とあり墓塔として造立された
来迎寺 五輪塔群(総数 約100基)
いずれも花崗岩で、南北朝時代までは大型塔が多く、室町時代に入ると小型化する
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* 近鉄大阪線「榛原駅」より奈良交通バス 針インター行き乗車、「来迎寺バス」停下車、南へ 約100m。また、都祁水分神社の南 約800mの場所にあたる。
(撮影:平成19年9月8日、平成21年10月4日)