知足院(ちそくいん)(奈良県奈良市雑司町406-1)
知足院は、寛平二年(890)の創建と伝える東大寺塔頭の一つ。地輪の四面に優美な四仏と梵文を刻む
知足院(ちそくいん)五輪塔(室町時代中期 応仁二年 1468年、花崗岩、高さ 150Cm)
風・空輪は別の五輪塔の風・空輪を流用する | ||
知足院は東大寺の塔頭の一つ。石塔は、本堂の裏山に立っている | 火輪は別物で、時代の古いものを使っている |
五輪塔 地輪 正面
二重光背を彫りくぼめ、蓮華座上に地蔵坐像を半肉彫りする。像の左右に大随求小咒(だいずいぐしょうじゅ)の梵文を刻む
刻銘:「オン バ ラ ラ サン バ、ラ イ ヂリ ヤ ビ シュ」「ダ ニ ム ム ロ ロ、シャ レイ ソワー カー」
水輪は、正面にのみ月輪内に金剛界大日如来の種子「バン」を薬研彫りする | ||
地輪の下に、大和様式の複弁反花座を設ける | 地輪は顕教四仏を刻み、南面のみ釈迦を地蔵に置換えている |
五輪塔 地輪 西面
二重光背を彫りくぼめ、蓮華座上に阿弥陀如来坐像を半肉彫りし、両側に大きい文字で紀年銘、小さい文字で追刻の没年日を刻む
刻銘:「逆修法印光宣」「応仁二年(1468)八月廿三日」、追刻「文明元年(1469)己丑」「十一月廿日」
西面の刻銘は筒井順慶の先祖 筒井光宣が逆修の為、生前の応仁二年(1468)に造立し、翌年の文明元年に逝去した為没年日を追刻した |
五輪塔 地輪 北面
二重光背を彫りくぼめ、蓮華座上に弥勒如来坐像を半肉彫りする。像の左右に光明真言を刻む
刻銘:「オン ア ボ ギャ ベイ ロ、シャナ マ カーボ ダラ」「マ ニ ハンドマ ジンバラ、ハラ バ リタ ヤ ソワーカー」
五輪塔 地輪 東面
二重光背を彫りくぼめ、蓮華座上に薬師如来坐像を半肉彫りする。像の右に大日胎蔵真言、左に大日金剛真言を刻む
刻銘:「ア ビ ラ ウーン ケン」(胎蔵大日真言)、「バ ザラ ダ ト バン」(金剛大日真言)
南側、大和様式の五輪塔 | 東側、三基並んだ五輪塔 |
知足院、裏山の五輪塔
知足院 本堂
子安 地蔵大菩薩の提灯が両側に飾られている。知足院には、重文の地蔵菩薩立像がある
知 足 院
五輪塔紀年順 | 大迫寺跡(おおさこじあと)明応三年銘 五輪塔(室町時代中期). | 五輪塔-紀年順-目次 |
*近鉄奈良駅下車、大仏殿から北へ 約400m。正倉院の東側。
(撮影:平成21年7月29日)