三谷(みたに)地蔵磨崖仏(奈良県桜井市三谷)
地元では、「三谷のネンド(寝地蔵)さん」と呼ばれ親しまれ、信仰されてきた。腰痛に効くという
三谷地蔵磨崖仏(寝地蔵) (鎌倉時代後期 延慶二年 1309年、花崗岩、高さ 133Cm )
阿弥陀と地蔵の磨崖仏であったのが、石が割れ、地蔵の方が転落した。像は、舟形を彫りくぼめ、蓮華座上に立つ地蔵菩薩を厚肉彫りする |
像の左右に「願主藺生(いう)庄住人祐禅淨覚房」「延慶二年己酉六月廿四日造之」の刻銘がある
地蔵は頭光を負い、右手錫杖、左手宝珠の通常形。しっかりとした彫刻で、すぐれて美しい
三谷(みたに)阿弥陀磨崖仏
三谷(みたに)阿弥陀磨崖仏(鎌倉時代後期、花崗岩、座高 39Cm)
二重円光背を彫りくぼめ、蓮華座に坐す定印阿弥陀如来を厚肉彫りする。連弁の形や像容が優れ、整った美しさを見せている |
撮影中、突然太陽の光が阿弥陀に射し、宗教的空間をつくった
三谷地蔵石仏(南北朝時代初期 建武二年 1335年、花崗岩、高さ 138Cm)
舟形光背をつくり、蓮華座上に立つ右手錫杖、左手宝珠の地蔵を厚肉彫りする。光背面に、十個の小月輪を陽刻し、中に地蔵の種子「カ」を刻む |
光背の裏面に藺生(いう)の文字と「建武二年(1335)乙亥十月二十四日造立之」の紀年銘が刻まれている
三谷(みたに)磨崖仏と地蔵石仏
* 近鉄大阪線「榛原駅」より奈良交通バス 針インター行き乗車、「松並バス」停下車、南へ 約3Km。藺生(いう)町の青龍寺から南西方向へ約1.5Km。
(撮影:平成21年10月4日)