霊巌院(れいがんいん)阿弥陀三尊石仏

 霊巌院(れいがんいん)(奈良市林小路町36)

霊巌院 阿弥陀三尊石仏(室町時代初期 永享二年 1430年、花崗岩、高さ 150Cm)

阿弥陀三尊の下枠に大工行氏の刻銘がある 中尊の阿弥陀如来立像(像高 83Cm)

阿弥陀三尊石仏は、境内墓地中央にあり、方形の石を枠取りし、内部を11Cm彫りこみ、阿弥陀三尊を半肉彫りする

阿弥陀三尊石仏の刻銘

枠の左右に「極重悪人無他方便 永享二庚戌十一月日」・「唯称弥陀徳生極楽 願主仏地院僧正」、下の枠に「大工行氏」と刻む。

枠の左右に往生要集の偈(げ)が刻まれている。

極重悪人   無他方便   唯称念仏   得生極楽

往生要集の偈(げ)

偈(げ):「極重悪人(ごくじゅうあくにん)無他方便(むたほうべん)」「唯称念仏(ゆいしょうねんぶつ)得生極楽(とくしょうごくらく)

[極重悪人には他の方便(てだて)なし、ただ念仏をとなえれば、極楽に生まれることができる]

蓮華座の上に立つ勢至菩薩を半肉彫りする(像高 45Cm) 蓮華座の上に立つ観音菩薩を半肉彫りする(像高 45Cm)

観音菩薩は蓮台を捧げ持ち、勢至菩薩は合掌する。

刻銘:「願主 仏地院僧正」 刻銘:「永享二(1430)、庚戌、十一月日」

石工の銘

刻銘:「大工行氏」(下の枠)

霊巌院 表門

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霊巌院 本堂

阿弥陀三尊石仏は、本堂の向かって左側、手前にある。

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*近鉄奈良駅下車、西南方向へ 徒歩約300m

(撮影:平成20年7月22日、平成27年12月25日))