南田原(みなみたわら)磨崖仏

 南田原(みなみたわら)磨崖仏(切りつけ地蔵)(奈良市田原南田原町)

  伊派 石大工井野行恒(いのゆきつね)、鎌倉時代後期 元徳三年(1331)の作品。

南田原磨崖仏(市指定文化財、鎌倉時代 他、花崗岩)

向かって右より弥勒菩薩、阿弥陀如来、阿弥陀如来の左下方に六地蔵菩薩

阿弥陀如来立像(市指定文化財、鎌倉時代後期 元徳三年 1331年、花崗岩、像高 170Cm)

元徳三年(1331)五月に東大寺の僧 宗詮(そうせん)が願主となって伊派石大工の行恒(ゆきつね)が造立した

像左右の刻銘:「一念弥陀仏 即滅無量寿 受現無比楽 後生清浄土」「元徳三年(1331)辛未五月日 願主東大寺大法師定詮石大工行恒」

阿弥陀仏は丸彫りに近い厚肉彫りをし、手は来迎印を刻む。立体的で端正な顔立ちや繊細な手、さらに衣文の流れなど一流の仕事がなされている

像の左右には、往生本縁経、四句の偈(げが刻まれている。

偈(げ):「一念弥陀仏(いちねんみだぶつ)即滅無量罪(そくめつむりょうざい)現受無比楽(げんじゅむひらく)後生清浄土(ごしょうしょうじょうど)

[ 一たび阿弥陀仏を念ずれば、ただちに無量の罪を滅ぼし、まのあたりに無比の楽を受け、後生には浄土に生まれん。]

六地蔵菩薩像(市指定文化財、室町時代 後期 大永三年 1523年、高さ 31Cm 幅111Cm)

弥勒菩薩像(市指定文化財、室町時代、像高 168Cm)。阿弥陀像に比して繊細さにかけるが素朴な彫像

弥勒菩薩側からみた南田原磨崖仏

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 南田原地蔵石仏(奈良市田原南田原町)

南田原地蔵石仏(鎌倉時代中期 建長年号銘、花崗岩、高さ 110Cm 像高73Cm)

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*JR・近鉄天理駅より奈良交通バス 中峰山方面行きバス乗車、「田原横田バス停」下車 徒歩

(撮影:平成19年9月17日)