観音院(かんのんいん)(奈良県高市郡高取町上子島)
宝篋印塔は、塔身の上下が蓮弁式の最古のもので、鎌倉時代中期 弘長二年(1263)の紀年銘がある。
観音院(かんのんいん)宝篋印塔(鎌倉時代中期、弘長三年 1263年、花崗岩、高さ 278Cm)
塔身、輪郭を巻き、二重円光形を彫りくぼめ内に顕教四仏を刻む(薬師) | ||
石塔は、無住で雑草に覆われた観音院の境内に立っている。 | 塔身、輪郭を巻き、二重円光形を彫りくぼめ内に顕教四仏を刻む(釈迦) |
宝篋印塔は、塔身の上下に蓮華文を対応して使った古い例で大変貴重なもの
笠の下端は別石で、単弁の蓮弁で装飾する。上端は六段で、上に二区の格狭間入り露盤を作り出す。隅飾は二弧無地で直立する
塔身、輪郭を巻き 二重円光形を彫りくぼめ内に顕教四仏を刻む(阿弥陀) | ||
塔身、輪郭を巻き、二重円光形を彫りくぼめ内に顕教四仏を刻む(弥勒) | 塔身の下は、別石の複弁反花座。背面の基礎が壊れかけている |
基礎 正面
基礎の側面は無地、正面に「弘長参(1263)癸亥年 三月廿二二(四)日、勧進僧法心」の刻銘がある
二区格狭間入りの露盤の上に 伏鉢、請花、上部が欠損した九輪 | 美しい像容の弥勒 (塔身、顕教四仏) |
塔身の上下に蓮華文を使った在銘古塔で、大変貴重なもの。早急の保全が必要と思う
観音院地蔵石仏(室町時代後期、花崗岩、高さ 78Cm 像高 53Cm) 右手に錫杖、左手に宝珠を持つ地蔵を半肉彫りする |
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*近鉄吉野線「壺阪山駅」下車、徒歩。宗泉寺の裏側にある
(撮影:平成19年12月8日)