十輪院(じゅうりんいん)不動石仏・合掌菩薩

 十輪院(じゅうりんいん)(奈良県奈良市十輪院町27)

  寺伝によれば元正天王(715〜724)の勅願寺で、朝野魚養(あさののなかい)の開基と伝える古刹。

  十輪院 不動石仏

十輪院(じゅうりんいん)不動石仏 (鎌倉時代中期、花崗岩、高さ 203Cm)

板状の石の前面に不動明王の立像を厚肉彫りする。火焔光背は、朱・黄土で彩色されたあとが残る。右手に利剣、左手に羂索を持つ。

作品は、堂々として力強く、なおかつ細密に彫られ、鎌倉中期の古い不動明王像の傑作といわれている

  十輪院 合掌菩薩像

十輪院(じゅうりんいん)合掌菩薩立像(鎌倉時代中期、花崗岩、高さ 約200Cm)

不動明王と同じく、長方形の花崗岩の前面に観音菩薩像を刻んだもので、お顔は半肉彫り、下にいくほど彫りは浅くなっている
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お顔の表情がやさしく、合掌する姿も優美で美しい。まさに石の中から現れ出でる観音菩薩の姿を捉えたかのようだ

  十輪院 愛染曼荼羅石

十輪院(じゅうりんいん)愛染曼荼羅石(安山岩、高さ 130Cm 幅 150Cm)

表面を六段に分け、五輪塔を数多く線刻する。下二段中央に愛染明王の種子 「ウーン」を薬研彫する

愛染明王の種子を刻み、その功徳を願い五輪塔を多数刻む 春日曼荼羅石部分(市指定文化財、鎌倉後期、安山岩)

春日曼荼羅石は、興福寺七堂の主尊を曼荼羅風に線刻したもので、境内に施錠され置かれている

 小塔院(しょうとういん)宝篋印塔                            石仏と石塔-目次!

十輪院本堂(国宝、鎌倉時代中期、桁行五間 梁間四間、寄棟造、本瓦葺)

石仏龕に安置された地蔵菩薩の礼堂(らいどう)にあたる建物。尚、堂内は撮影禁止で、重文の石仏龕は撮影できない

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*JR・近鉄奈良駅前から奈良交通バス乗車、「田中町バス停」または「複智院バス停」下車 徒歩3分。

(撮影:平成22年3月12日、平成19年2月17日)