石仏寺(せきぶつじ)の石造美術

 石仏寺(せきぶつじ)(奈良県生駒市藤尾町96)

  本尊の阿弥陀三尊石仏(永仁二年:1294年)は伊派石大工 伊行氏(いのゆきうじ)の銘があり、脇侍の阿弥陀・地蔵石仏とともに秘仏。石仏寺は、融通念仏宗

石仏寺(せきぶつじ)五輪塔 (鎌倉時代末期〜南北朝時代、花崗岩、高さ 208Cm)

風・空輪、一石からなり風輪は宝珠の形
五輪塔は、本堂に向かって右手横に立っている 火輪、軒口厚く両端で反る

切石の基壇上に立つ、大型で形が整った五輪塔。各輪とも、梵字や刻銘は刻まれておらず素面。

水輪、最大径が、やや上部にある楕円型 地輪、四面とも素面で刻銘はない

 石仏寺(せきぶつじ)六字名号板碑

   「あるくみるきく」(近畿日本ツーリスト発行)の板碑特集号(1974.9 No91)で、全国主要板碑百選に選ばれた板碑。

石仏寺(せきぶつじ) 六字名号板碑 (室町時代後期 永禄元年 1558年、花崗岩、高さ 132Cm 幅 48Cm

頭部 山形で、阿弥陀三尊の種子、身部中央に「南無阿弥陀仏」の六字名号、左右に造立者・紀年銘を刻む。

板碑 頭部

中央の蓮華座上月輪内に阿弥陀の種子「キリーク」、右下月輪内に観音の種子「サ」、左下月輪内に勢至の種子「サク」を刻み阿弥陀三尊とする

身部、向かって左側刻銘(紀年銘) 身部、向かって右側刻銘

刻銘:「六斎念仏人数十三人居念仏卅五人」、「永禄元戊午年(1558)十月十五日各敬白」

  石仏寺(せきぶつじ)阿弥陀三尊種子板碑

石仏寺(せきぶつじ)阿弥陀三尊種子板碑(室町時代後期 元亀元年 1570年、花崗岩、高さ 105Cm 幅 50Cm

花崗岩の自然石を利用し、身部上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、その下向かって右方に地蔵菩薩の種子「カ」、左方に薬師如来の種子「バイ」

下方に「元亀元年(1570)庚午、十月十五日」「逆修覚識法印」の刻銘がある。阿弥陀の脇侍は通常、観音・勢至だが、地蔵・薬師を刻んでいるのは、珍しい。

  石仏寺(せきぶつじ)名号板碑(慶長十八年銘)

石仏寺名号板碑(桃山時代 慶長十八年 1613年、花崗岩、高さ 70Cm 幅 51Cm)

舟形頂部に阿弥陀の種子「キリーク」、その下に観音・勢至の種子、身部中央に「南無阿弥陀仏」の六字名号、

左右に「慶長十八年(1613)癸丑、二月廿日」の紀年銘を刻む。

 輿山往生院(こしやまおうじょういん)宝篋印塔                     石仏と石塔-目次!

石仏寺(融通念仏宗) 境内の板碑群

 板碑(いたび)

五輪塔紀年順  浄土寺(じょうどじ)五輪塔(伝 足利直義塔)(鎌倉末期〜南北朝初期)  五輪塔-紀年順-目次

*近鉄 生駒線「南生駒駅」下車、西方向へ 約1.5Km。

(撮影:平成19年3月21日、平成23年1月12日)